EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.4


前回の更新から1カ月以上が経過してしまいましたが、実はこの間EBBRO 1/20 Lotus72E製作は何も進行していなかった訳ではなく、実は自分には非常に困難な作業に時間を取られていました。今回はその原因であった1973年フランスGPでのロニー・ピーターソン初優勝車を製作する上で最も重要な、中盤戦仕様のオイルタンク取付用のサブフレーム製作作業について書きます。どうしてまたこんな面倒な工程から始めてしまったのか、と自分を恨みつつ今回の製作記はスタートです。

この後方へ移動されたオイルタンクは、オイルタンク上にマウントされたリアウィングを後方に下げる事により、リアウィングへの気流をスムーズにして効率を高める狙いで、1973年のフランスGPで実戦投入されました。以後イギリス、オランダ、ドイツ、オーストリアの5戦で用いられ、この間ピーターソンがフランスとオーストリアで優勝、フィッティパルディがイギリスで2位という結果を残していますが、やはり実戦使用された期間が長くない事、そして一般的にあまり写真に写りにくい場所である事からディティールを捉えた写真が多くなく、考証はネット上の写真捜しとDVDのキャプチャ撮りがメインとなりました。

前回も紹介した写真で、1873年オランダGPでピーターソンが駆る72E/6。注目はリアウィングの効率向上を狙って後方へ10インチ移動されたオイルタンクで、リアタイヤとオイルタンクの間に大きな隙間が出来ている。(Coolamundo Motorsports Blog

今回の考証で最も役に立ったのは、「If you’re not winning, you’re not trying」と題された映像作品(自分は随分前にVHSで入手)で、左のDVD「JPS LOTUS 栄光の軌跡 – BLACK BEAUTY 1973 SEASON」はその日本語版。チーム・ロータスの1973年シーズンの追跡ドキュメンタリーとでも言える貴重な内容で、チーム・ロータスのファンなら是非持っておきたい1枚。途中、今回製作するオイルタンクのサブフレームのディティールが伺える整備中のカットが4~5箇所あり、ほぼこれだけでも十分と言える。このDVDの映像から合計およそ40枚近くのキャプチャを撮って資料にした。もしかするとこのDVDはデジタルリマスターで自分のVHSよりも映像が鮮明になっているかも知れない。この他にもネットで画像検索などもしてみたが、参考になりそうな写真は1~2枚程度しか見つからなかった。

製作の為の素材、寸法、製法、etc.、etc…何一つ具体的なイメージが湧いて来ない。悩んでいても仕方無いので、まず難しい事は考えずにキットのオイルタンクのパーツからギアボックスへのマウント部分(写真の赤○内)のパーツを切り離した。切り離したパーツは保存しておけば良かったのだが、迂闊にも紛失してしまい後で後悔する事に。

サブフレームの素材を何にするかで悩む事1週間。プラ棒と瞬間接着剤を使用すれば工作は容易だが、直径を1mm以下にするととても十分な強度は望めないし、それに1mmでは明らかに太過ぎる。金属棒をハンダ付けすれば直径0.8mm程度でも十分な強度が得られるが、形状が複雑なので工作が大変、、、と悩み抜いた末、やはり強度と細さを重視して金属棒&ハンダという選択をする事になった。写真はオイルタンクを支えるサブフレームの左右部分。ここまでの平面的は工作は比較的スムーズに製作出来たものの、これをさらに立体に構成するのにかなりの失敗と試行錯誤を経る事になってしまう。。。それぞれ片方の先端と途中1箇所のオイルタンクのマウント部分には外径1mmの金属パイプを幅1mm幅にカットしてオイルタンクからのボルト受け部分の空間を作っている。

果てしなく続くハンダ付けとの戦い。立体部分を構成するのにどうしても1箇所で2度以上のハンダ付けが必要になってしまい、その都度コテの熱で他の部分のハンダを溶かしてしまって形を崩して失敗作、、、少なくとも5回以上失敗作を産み出した結果、立体接合部分のハンダ付けを一度で済ませられる様、この様な専用の工作台?を作る事に。余っていた木製のカラーボードを使い、彫刻刀とピンバイスを使用して金属棒を配置・固定してハンダ付けする事で、漸く製法を確立する事が出来た。

そして何度にも及ぶ悪戦苦闘の結果、ついに失敗する事無く出来上がったのがこちら。苦労した分、その苦労を克服して完成した時の喜びもまた格別。

完成したサブフレームをオイルタンクに組み付けてみる。サブフレームの右下部分先端のボルト受けはオイルタンクがら出ているボルト部分にしっかりはめ込まれ、そしてその左上のマウント部分も撤去した箇所に位置が合う様に出来た。

更にこれを仮組みしたギアボックスのパーツと合わせてみる。サブフレームのギアボックスの後下端に合わせる部分が若干長過ぎたか、やや下方にズレてしまっているので、1mm程度長さを詰めた上で、やや上方向に向きを矯正してやる必要があるものの、ほぼ狙い通りの出来となった。因みに前上方のギアボックスとの固定部分は、切り取ったマウント部分の部品を使って作る予定だったが、紛失してしまった。。。ストックしてあるもう一つのキットからオイルタンク部品をドナーにするしかない。どの道1973年アメリカGP仕様と1974年フランスGP仕様ではキットのオイルタンクは使用しないし。。。

…という事で、今回は1973年フランスGP仕様を製作する上で最も重要なポイントである、オイルタンク取付サブフレームの工程を紹介しました。次回は一体何を作るのか…まだ考えていませんが、どうぞお付き合い下さい。

– END –


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