「1/20 Lotus 72E by Ebbro」カテゴリーアーカイブ

EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.10


ロータス72E製作、今回はインパネ周りの製作です。

まずはキットのインパネにSTUDIO27の72C用のメーター周りのリングパーツを接着する。接着前にインパネ部分のパーツのモールドを一旦全て削り落とすべきか、それともそのままモールドの上から接着してしまうべきか迷ったが、より立体感が出る事を期待して後者のやり方にした。インパネ下部のシャシープレートは貼付位置が時期により異なり正確なところは不明。恐らく72D迄は左下、72E以後は右下に貼付された事が多かった様だ。写真上の裏側部分はプラ棒で適当にメーターのメカ部分を再現。

エンジンのカムカバーの時と同様、一旦セミグロスブラックで塗り潰し。

その後メーターのリング部分のみをシンナーで拭き取る。尚72Eの一部は右側のメーターリングは黒だった様なので、右側のパーツはこの状態を再現してみた。

メーター裏のワイヤリングは完成後も僅かに見えるので是非再現したいところ。しかし完璧にやろうとするととても完成出来ないので、自分のやる気・技量と相談しながら妥協点を探った結果、こんな感じに落ち着いた。

メーター目盛部分にキットのデカールを貼付し、その上からいつも使っているGSIの水性トップコート(光沢)を面相筆に掬い取ってリング内に滴下してガラス面の光沢を表現する。

スイッチはさかつうのボタンスイッチとトグルスイッチを使用。ちょっとここまでの工作がイマイチだったのが、スイッチを付けただけでグッと立体的でイイ感じになった。

これを何だかんだやりながら3台分製作。

コクピットのバーツを組み立て、ドライバーの左側にケーブルを通すスペースをプラ板で追加。尚、クラシック・チーム・ロータスが所有する72E/9には右側にも同様のスペース(幅は狭い)が存在していたので右側も再現してみたのが写真に写っているが、少なくとも1973年当時のシャシーには存在していなかった事が後から判明し、折角作ったものを塗装前に撤去する羽目に。

塗装はタミヤTS-83メタルシルバーを使用。本品は塗装前にブラック塗装&研ぎ出しでかなり鏡面に近い仕上がりになる(らしい)が、アルミっぽさを残す為に敢えて研ぎ出さずに使用。何とも表現しづらいがアルミの粉っぽさと模型的金属感がミックスした不思議な質感になった。

インパネ左裏から伸びたケーブルはコクピット左側のスペースへ通し、右裏のケーブルはコクピット内のスペースへ埋め込んで処理しつつ、インパネをコクピットへ固定して完成。


もう一度インパネ部分のクローズアップ。当初インパネ下部部分の穴には極小リベットを通す予定だったのだが、開穴しただけでも十分リベットっぽくなっているので、これ以上進めるべきか悩み中。

– END –


EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.9


久々更新のロータス72E製作、今回はDFVエンジンの製作です。

エンジンの製作及びディティールアップに使用するのはSTUDIO27製ロータス72C用エッチングパーツとE-JAN製ファンネル&デスビセット。とは言ってもエッチングで使用するのはカムカバー上のFORDのロゴのみなので72C用を使わなければいけない訳でも無い。同様にE-JANのセットも手持ちのストックが有ったというだけの理由で、他メーカーで良い物があればそれでもOK。

まずはインストに従ってブロック部分を組み立てて行く。面白い事にモノコック側エンド部分のパーツは製造ロットによって形状が違う様だ。

ブロック全体はタミヤTS-17アルミシルバーで塗装。補器類の塗装はインストには特に指示は無いが、写真等を参考にそれなりに色を変えてアクセントを付けた。

デスビ系のメタルパーツ。予めピンバイスでコードやチューブを通す為の穴を開けておく。

フューエルポンプにガソリンチューブを通した状態。後の作業時にカットする作業を省く為、長さは予め変化を付けておく。

トランペットとインジェクター。インジェクターは予めチューブの受けとなる部分に穴を開けておく。貫通しない方がベターだが貫通してしまってもあまり気にしない事に。。。

フューエルポンプをエンジンに固定し、ガソリンチューブを通す。

更にトランペットを固定し、インジェクターにガソリンチューブを差し込んで瞬接で固定。この時に見栄えを考慮してガソリンチューブやインジェクターの向きを適当に揃えておく。但しやり過ぎるとインジェクターの部品が折れてしまうので注意。

カムカバーはFORDのロゴ部分のエッチングパーツを瞬接で固定し、リベットやボルトを通す為の穴を開けたら全体をセミグロスブラックで塗装。

その後ロゴ部分のモールドをシンナーを浸み込ませた綿棒で拭き取り、ボルトとリベットを通す。ボルトはModel Factory Hiro製の外径1.1mm/内径0.7mmの物を使用。ややオーバースケールだが模型映えを考慮して敢えて採用。但しそのままだと目立ち過ぎてしまうので、エナメル塗料で軽くスミ入れしてトーンを抑えると共にディティールを浮き立たせた。


カムカバーをエンジンに固定し、デスビとプラグコードを処理して完成。エッチングのロゴとボルトが良いアクセントになった。

– END –


EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.8


昨日のエントリの通り、ホビーフォーラムまであと1カ月を切った事もあり、そろそろ72E製作も多少の進捗を見せなければならなくなりましたが、72E製作に関する前回更新は2月だったので、なんともう8カ月もの間休んでいた事に。しかしこの間決して何もしていなかった訳ではなく、実は地道にデカールの自作に取り組んでいたりしたので今回はそのデカール製作とフィッティングについて紹介します。

まずは版下をAdobe Illustratorで製作。これまで頑なに?ハンドトレースでデカールを作って来たが、ここへ来てようやく観念して同ソフトの使用方法を覚える事に…しかし一旦覚えると地道な作業ながらなかなか楽しい事が判明。かくして試作段階まで出来上がった版下を透明デカールへテストプリントした物。プリンタは前回の「1/64 京商ロータスフォーミュラ ミニカーコレクション 改造&リペイント」でも活躍してくれたALPS MD-5500。原稿はJPSゴールドと白、黒の3レイヤーで出来ているので、これをそれぞれのカラーで印刷する。因みにゴールドの部分のインクはメタリックゴールドをそのまま使用した。一部印刷に失敗したものの、まあテストなので、、、と自分に言い訳。

リアウィング翼端板部分のストライプは上手くキットの翼端板にフィットした模様。テストなので皺は気にせず。

リアウィングのメインエレメント。ウイニング・ローレルは当時関係者に配布されていた実物からトレースした自信作?だが、残念ながらこのスケールではあまり目立たず、ルーペで拡大しないと判らない自己満足の世界。因みにローレルは1972年・1973年の全優勝レース分用意した。

72E仕様のデフォーマブル・ストラクチャー部分。カーナンバーが入るゴールドのスペースは面積がある為、MD-5500ではインクリボンの継ぎ目が目立ってしまうが、それさえなければこのまま使っても良い位のクオリティ。ちなみにこの試作品ではカーナンバーが入るゴールドのスペースはやや高さがオーバー気味、逆にカーナンバーは全体的にサイズが小さいので版下の修正が必要。

1972年及び73年序盤の72D仕様のサイドポッド。ベースは72Cのパーツを流用し、これにカーナンバーが入るゴールドのスペースをフィットさせてみる。因みにこの部分の形状は後の72E仕様と異なり、全体的にやや丸みを帯びているのが特徴。上面のJPSストライプも形状が異なっているのでこれも別途製作。やはりカーナンバーはサイズが小さい。

フロントノーズ部分は72Eの一つの見せ場。JPSストライプの形状、JPSロゴ、そしてJohn Player Specialの文字も良い感じに出来ているが、そしてやはりカーナンバーはサイズが小さい。

1973年後半戦、吸気口が拡大されたインダクションボックスが採用された際に、主にロニー・ピーターソン車では大型化されたJPSロゴが使用された模様なのでこれを再現、、、でもこれはやや大き過ぎたので修正が必要。

こちらはコクピットカウル。実は72D/72Eのコクピットカウル前方中央のTEXACOロゴは、その大きさ、位置、そしてそれを囲むJPSストライプの形状に幾つものバリエーションがある。写真は1973年後半戦でピーターソン車に用いられたものを再現してみたが修正の余地が有りそうだ。

これもシーズン終盤、恐らくカナダGPとアメリカGPのピーターソン車のみ?で用いられたコクピットカウルのJPSストライプ。ミラーの視界確保の為の黒塗装の切り欠きに対し、通常はJPSストライプも合わせて切り欠かれている部分が、この切り欠きに沿ってJPSストライプが描かれている。

1972年の72D仕様を製作する為に作ったファイアストンタイヤ用のストライプデカール。テストなのでグッドイヤーのロゴを落とさずにそのまま貼付。サイズもOKな模様。

先に書いた通り、MD-5500のマイクロドライプリントもこのレベルのデカールであれば十分に実用に堪え得るクオリティを持っていますが、やはり面積のある部分でどうしてもリボンの継ぎ目が見えてしまうのが難点で、さてこれをこのまま使うかどうかは悩み中です。。。

– END –


EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.7


すっかりこの連載も月次更新となってしまいましたが、今回は前回に引き続き、1973年シーズン終盤に投入されたオイルタンクとそれに伴い変更されたリアエンド周りの製作です。

左の写真はこの新形状のオイルタンクが投入された1973年イタリアGPでロニー・ピーターソンが駆る72E/6。上面から見てみるとこのオイルタンクは従来の物よりも細身になっている事、そしてリアウィングステーの形状も前後でV字型に分かれているのが見える。(SlotForum

まずは前回製作したオイルクーラー兼エキゾーストの支持部分。後で検証してみたらこのままでは使えない事が判明した為、再度イチから作り直す事になった。写真はフロント側から見た構図になり、右側にはエキゾーストだけでなくオイルポンプを配置する為の環状のスペースがもう一つ設けられている。エキゾーストパイプ周りはこれ以前のスプリングでパイプを囲む様に支持する方法ではなく、パイプ周りのフレーム自体が肉厚になっているので、この部分をエポキシパテで埋めておく。更に両オイルクーラー間を渡す配管もプラ棒を曲げて製作。

試しにこの状態で再度オイルクーラー含めて配置。因みにクーラー本体は同じくEBBROの72Cキットの物を流用。あとオイルタンク本体はよく見ると接合線なのか何かしらの配管なのか、縦に細い線が2本入っているのでこれを再現(但しこの線はレースやマシンによってはリア側1本のみに見える事もある)。また右サイドには(これも詳細不明だが)円形のモールドが見られるのでこれをジャンクパーツを使って再現(写真では中空になっているように見えるが、瞬接で埋めてある)。

反対側のアングルから。タンク本体の接合線は左サイドにも見られるが、円形のモールドは確認出来ないので、一応再現しない事にした。

オイルクーラーはギアボックス両脇の他、もう一つオイルタンク後方にも配置されているので試しに配置してみる。その上にはテールランプが付くので、その基部を白のプラパイプで製作。

ギアボックスエンドは、1973シーズン中盤迄はこの部分にフレームが装備されていた関係でフラットな物が装備されていたが、このシーズン終盤線仕様ではオイルポンプが追加されているので、写真左のジャンクパーツを利用して再現。このマウント用の穴を開けると共に、オイルタンク支持用のフレーム取付部分を内径1mmのパイプで作っておく(写真赤円部分)。

ギアボックスのパーツを組み付けた状態。オイルタンク支持用のフレームは金属パイプの穴の部分に基部を差し込む形になる。

写真はギアボックスエンド部分を右側から見た構図。オイルタンク支持用のフレームは、前の写真で示した3箇所から伸びたフレームでトライポッドを構成。トライポッドは0.8mmの真鍮線を得意の?ハンダ付けで製作(今回は失敗ナシ!)。上に伸びている部分は後で切断する。

オイルタンク部分をフレーム部分と共に配置してみるとこんな感じ。丁度トライポッドの背中に乗っかる形でオイルタンクが置かれる様になる。

最後はリアウィングステーの製作。とは言ってもキットの状態からステーの構造そのものが変わっている訳ではないのだが、高速コースであるイタリアGPのモンツァ、カナダGPのモスポート・パーク、そしてアメリカGPのワトキンス・グレンに対応してリアウィングは寝かされた状態にしてある為、これに伴う形状変更になる。まずはキットのP33部品からウィングサポートとブレード部分を切り取り、円弧状のパーツを作ってサポート部分を延長。ブレード部分も角度変更に合わせて形を整える。

これをリアウィングに仮組みし、オイルタンクに合わせてみた。冒頭の写真に近いV字型のイメージに近付いて来た。シーズン終盤3戦は高速サーキットというだけでなく、リアウィング本体を更に後方にオフセットした事によりウィングの効率が上がった為、ウィング本体はかなり寝かされた状態になっており、特にワトキンス・グレンでは水平に近い状態にまでなっている。

後方から見たイメージ。最終的な取付と角度調整は組み立ての最終段階に取っておく事にする。

ここまで出来た所で今回の作業は終了です。次の製作はどの部分に手を付けようか、、、まだ考え中ですが、またよろしくお付き合い願います。

– END –


EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.6


前回の投稿からまたまた時間が過ぎ、ついに2014年という新しい年に突入してしまいましたが、この間にも地道に続いていたEBBRO 1/20 Lotus72E製作、今回は1973年シーズン終盤に投入されたオイルタンクとそれに伴い変更されたリアエンド周りの製作、今回はその前篇です。

このオイルタンクは翌1974年シーズンにはリアウィングのオーバーハングがレギュレーション変更により規制される事になった為、結局1973年の終盤3戦にしか用いられませんでした。この為必然的に写真が少なく、ましてディティールを捉えた写真も(自分が探した限りは)存在しません。従って考証は数少ない写真を詳細に検証し、それでも不明な部分に関してはある程度の割り切りが必要になってしまいます。

左の写真は1973年最終戦アメリカGPでロニー・ピーターソンが駆る72E/7。この年のイタリアGPから投入された新設計のオイルタンクにより、リアウィングの取付位置がシーズン当初と比べて12インチ後方に後退しており、その結果リアウィング本体が異様に後方に突出した形になっている。(Joeblogs F1

いつもの事ながら考証に悩み過ぎていつまで経っても作業に手が付かない。ここはひとつ思い切って、ある程度ラフな形をプラ板で作っておき、その後少しづつイメージを近づけていく事にする。写真は前上方向からで、後方に向かって次第に細くなっていく形状をしている。このオイルタンクのデザインは後のタイプ76のオイルタンク形状に通じると言える。

更にこの上からエポキシパテを盛り、硬化後に形状を整えていく。因みにこちらは後方からのショットで、オイルタンク全体は非常に直線的な形状になっている。やや切り欠かれている手前(リア側)先端部分にはリアウィングのマウントが付く。反対側のフロント側先端にはギアボックスへのマウント部分を付けてみた。

このオイルタンクのデザイン変更に伴い、車体側ギアボックス部分にオイルクーラーが移動する事になったので、その部分の工作。まずはギアボックス側のマウントを製作する。使用するのはジャンクとなっていたタミヤ1/20のタイプ78キットのD38部品。

これをEBBROのギアボックス部品に合わせて中をくり抜く、、、途中で作業をミスしてパーツを一度割ってしまったので、修復。

更にキットのP19部品をベースに、オイルクーラー兼エキゾーストの支持部分を製作、、、でもちょっと工作が雑になってしまったので、後でペーパーで出来るだけキレイに仕上げてやる事にする。

これをギアボックスに取り付けて仮組み。両側の透明プラ板の外側にオイルクーラーが付く事になる。

更にこの上からオイルタンクを乗せてみた。雰囲気は悪くなさそう。

後方から見るとこんな感じ。ギアボックスへのマウント方法にはまだ課題があるものの、非常に写真のイメージに近付いて来た。この調子を維持すれば何とか完成まで持って行けそうだ。

…今回はここまでになります。次回は続き、オイルタンクのディティール、リアウィングのマウント、オイルクーラー等、残りの作業を紹介しますので、次回も宜しくお願い致します。

– END –