今回は前回に引き続き1977年開幕戦のアルゼンチンGPに出場したマシンになります。
写真:1977年開幕戦アルゼンチン初日、下半角の付いたフロントウィングを装備したJPS16で走行するマリオ・アンドレッティ。その後このマシンはフロントノーズ内部に格納された消火器が暑さの為に爆発、この爆発音により折からサーキット内でテロや暴動を警戒していた武装兵士が爆弾テロと勘違いして出動し、一時サーキットが騒然となる騒ぎとなった。(A BOOKSHELF)
【FILE 10. 1977 Rd.01 ARGENTINE GP – Jan.7.1977】 v1.0
JPS16(78/2) Driver: Mario Andretti
参考資料:
・AutoSport 1977年3月15日号
・外部リンク >> 「A BOOKSHELF」
前回のA BOOKSHELFさんからの投稿にもありますが、アルゼンチンGP初日の金曜日、下半角の付いたフロントウィングをマリオ・アンドレッティがトライしています(外部リンク参照)。
尚、このJPS16は金曜午後のセッション終盤、ホームストレート通過直後にフロントノーズ内部に搭載した消火器が猛暑の為に爆発するというアクシデントに見舞われます。アンドレッティは辛うじて失神を免れ、クラッシュは回避しましたが、フロントノーズは勿論、モノコック前端のバルクヘッドまでが完全に吹き飛んでしまうというダメージを受けました。これによりJPS16は現場での修復は不可能と判断され、2週間後に迫っている次戦ブラジルGPに備える為、急遽チーフデザイナーのトニー・サウスゲートがモノコックを手荷物扱いでイギリスへ持ち帰る事になりました。
<外観上の特徴>
・フロントウィングに下半角が付いている。この為翼端板の取付位置も低い。
・フロントノーズのカーナンバー5の書体が、サイドに使用されている物を同様の形状。
・JPS15と比較して、サイドポンツーンのJPSロゴが僅かに前方に移動している。
・JPSロゴが前方に移動した分、John Player Specialの文字に大きなスペースを割いている。
・コクピットカウル前端のNACAダクトは未装備。
<改訂履歴>
・v1.0(2011/7/28) 新規作成
【FILE 11. 1977 Rd.01 ARGENTINE GP – Jan.8-9.1977】 v1.1
JPS15(78/1) Driver: Mario Andretti
参考資料:
・AutoSport 1977年3月15日号
・外部リンク >> 「A BOOKSHELF」

アンドレッティはこのマシンで予選8位を獲得、レースでもブラバムのジョン・ワトソン、マクラーレンのジェームス・ハント、フェラーリのニキ・ラウダらと上位争いを展開、中盤には3位まで上昇しますが、周回遅れのアレックス・リベイロのマーチと接触、左フロントウィングにダメージを受けて後退します。しかし相次ぐ上位陣の脱落により終盤には2位にまで上昇しますが、残り2周となった52周目にリアのホイールベアリングが焼き付きを起こしてストップ、2周遅れの5位完走扱いとなり、まずまずのシーズンスタートを切りました。
<外観上の特徴>
・ドライバー名はAndrettiに書き換えられている。
・コクピットカウルはJPS16でも使われた、前端のユニオンジャック部分にNACAダクトが有るタイプ。
・サイドのカーナンバーは「6」の一部を黒いテープで塞ぎ、「5」に見せかけている。
・右サイドポンツーン上部のJPSストライプが一部欠けている(これもテープか)。
<改訂履歴>
・v1.0(2011/7/28) 新規作成
・v1.1(2011/8/4) <外観上の特徴>に関する誤記削除
ご意見、別考証・別見解など歓迎します。コメント欄をご利用ください。
– END –