1977年年明け早々、ロータス78は1977年開幕戦のアルゼンチンGPに臨みます。今回はそのうち初日である1月7日(金)のロータス78の姿を紹介します。
写真:1977年1月7日、F1シーズンが幕を開けた開幕戦アルゼンチンGP初日にJPS15を駆るグンナー・ニルソン。ニルソンはこの日の午後に発生したマリオ・アンドレッティのレースカーJPS16の爆発事故によりJPS15をアンドレッティに明け渡す事になり、同GPでの走行はこの日のみとなった。(A BOOKSHELF)
【FILE 08. 1977 Rd.01 ARGENTINE GP – Jan.7.1977】 v1.0
JPS15(78/1) Driver: Gunnar Nilsson
参考資料:
・AutoSport 1977年3月15日号
・外部リンク >> 「A BOOKSHELF」
これまで紹介して来た1号車(JPS15)は、グンナー・ニルソンのレースカーとして割り当てられます。先の1976年12月21日のプレス発表の状態から、ロールバーやブラシスカートに幾らかのモディファイが見られました。
尚、このJPS15でニルソンは初日に8位(最終的には予選10位)のタイムを記録したものの、次回後述するマリオ・アンドレッティ車(JPS16)の爆発事故により、開幕戦でTカーが無かった為にJPS15は土曜日以降はアンドレッティが承継する事になり、ニルソンは土曜日以降の出走をキャンセルしています。
<外観上の特徴>
・ロールバーは背の高いニルソンに合わせ、背の高い物へ変更。
・ブラシスカートは前方部分がやや切り詰められ、先端にアルミ製?の板が追加される。
・それ以後のブラシスカート上端部分には、これもアルミ製?のガイドレールが後端まで続く(絵では判りにくいですが)。
・マーキングはプレス発表時から変更なし。
<改訂履歴>
・v1.0(2011/7/12) 新規作成
【FILE 09. 1977 Rd.01 ARGENTINE GP – Jan.7.1977】 v1.0
JPS16(78/2) Driver: Mario Andretti
参考資料:
・AutoSport 1977年3月15日号
・外部リンク >> 「A BOOKSHELF」
新製された2号車(JPS16)は、アンドレッティのレースカーとして割り当てられます。このJPS16はアンドレッティの意見によりホイールベース短縮を目的としてJPS15からモノコック後端部分が4インチ(100mm)短縮されており、同部分に内臓されていたオイルタンクが、エンジンとギアボックスの間に移動しています。
<外観上の特徴>
・JPS15同様、ブラシスカート先端部分にアルミ製?の板が付くものの、後部のガイドレールは無い。
・JPS15と比較して、サイドポンツーンのJPSロゴが僅かに前方に移動している。
・JPSロゴが前方に移動した分、John Player Specialの文字に大きなスペースを割いている。
・コクピットカウル前端のユニオンジャック部分にNACAダクトが設けられる。
<改訂履歴>
・v1.0(2011/7/12) 新規作成
ご意見、別考証・別見解など歓迎します。コメント欄をご利用ください。
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こんばんは。
アルゼンチンGPの⑤マリオ車ですが、AUTOS PORT 3月15日号8~9ページ上段の写真が気になっています。
縁石のカラーが赤白パターンなのでアルゼンチンGPで間違いないと思うのですが...
(ちなみにブラジルGPの縁石カラーは黒白パターンという認識で合っていますよね?)
低いロールバー+NACAダクトの無いユニオンジャックが低い位置にある車体のフロントウイングが「への字」になっているんです。
これは私のブログ記事(URL参照)にも正面からの写真があるのですが、この車体の解釈に悩んでいます。
低いロールバーなので金曜日(初日)の撮影と思われるのですが、壊れて「への字」なのか、
意図した「への字」なのかと...
またフロントのカーナンバーが次戦ブラジルGPのような幅広のタイプになっているんです!
更に混乱させるのは、低いロールバー+NACAダクトの有るユニオンジャックが低い位置+ノーマルなカーナンバー
の組み合わせの車体写真も見られる点です。
これらから、ノーズコーンは2種類あり、NACAダクトはGP期間中に開けられたか2種類あったか
ということが推測されると思いますが、いかがでしょうか?
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A BOOKSHELFさん:
早速のコメントありがとうございます。
私も同じ写真は気になってました。縁石の色までは気にしていませんでしたが、フラットなブエノスアイレスと起伏の激しいインテルラゴス、対照的なコースですので、ご推察は私も間違いないと思います。
ノーズについては、カーナンバーの書体が異なっているので、完全なバージョンを用意していたのではないでしょうか。ウィングの下半角は意図したものと思います。
空力的にはベターだと思いますが、どう考えても翼端板が地面に接触していて耐久性があるとは思えないので、一発タイムを狙ったバージョンと思っています。
あと恐らく、状況的に爆発事故を起こした時は、このタイプのノーズを付けていたのではないかと思っています。
(ですので、このバージョンはJPS15を使用したレースカーと共に、次回紹介する予定です)
NACAダクトの件もBOOKSHELFさんと同じ見解で、恐らく現場が余りにも暑かった為に、現場で増設したものと思います。
的確なご指摘、流石です!