今回は前回に引き続き、1977年第2戦ブラジルGPでのロータス78の姿を紹介します。
写真:1977年ブラジルGP決勝(LAP20/40)、電気系トラブル(イグニッション)によりリタイヤしたアンドレッティのJPS16。ニルソンのJPS15とは異なり、サイドウィング後端にアップスイープがあるのが判る。(ZDF)
【FILE 14. Rd.02 BRAZILIAN – Jan.21-23.1977】 v1.0
JPS15(78/1) Driver: Gunnar Nilsson
参考資料:
・AutoSport 1977年3月15日号
・外部リンク >> 「A BOOKSHELF」
まずはニルソンのJPS15にアップスイープ付きサイドウィングを装備した姿。恐らくサイドウィングによるより大きなダウンフォースの獲得とリアタイヤへの空気の整流を考慮したものと思われます。アップスイープ面は曲面となっていて、これまでサイド側に装備されていたリアブレーキ冷却用のNACAダクトがこのアップスイープ面に移動しています。前回紹介しましたがニルソンは結局、決勝ではこのタイプのサイドウィングは使用せず、従来のフラットなタイプを使用しました。
<外観上の特徴>
・アップスイープ付きのサイドウィング装備。
・フロントノーズのカーナンバーはサイドに使用されているのと同様の角張ったタイプ。
・コクピットカウル前端にNACAダクト装備。
・前戦ではNACAダクトを急造した為に干渉していたユニオンジャックの記入位置が後方に移動。
<改訂履歴>
・v1.0(2011/8/17) 新規作成
【FILE 15. Rd.02 BRAZILIAN – Jan.21-22.1977】 v1.0
JPS16(78/2) Driver: Mario Andretti
参考資料:
・AutoSport 1977年3月15日号
・外部リンク >> 「A BOOKSHELF」
同様のタイプのサイドウィングはアンドレッティのJPS16にも装備されました(この姿はF1 Modeling誌No.20でも紹介されているので、ご存知の方も多いと思いますが、キャプションに開幕戦アルゼンチンGPと記載されているのは誤り)。またこのサイドウィングは従来のフラットなタイプの後部を切断して取り付けたものと思われ、外部リンクでの写真を見ると、カーナンバー部分に切断線が見られます。また、前回紹介した通り、土曜の最終セッションで火災に見舞われた際にはフラットなタイプを装備しており、またニルソンのJPS15と共に2台でアップスイープ付きになっている写真もあり、結局のところどのマシンがいつ、どちらのタイプを使用していたかは正確には判らない状態です。また前回A BOOKSHELFさんからのコメントにもありましたが、コクピットカウルに装備されたNACAダクトはJPS15ではNACAダクト周囲に固定用と思われるボルト(orリベット)が5個見られますが、このJPS16では一体成型にされたのか、その跡は見られません。
<外観上の特徴>
・アップスイープ付きのサイドウィング装備。
・フロントノーズのカーナンバーはサイドに使用されているのと同様の角張ったタイプ。
・JPS15と同様、コクピットカウルにNACAダクト装備、ユニオンジャックの記入位置変更。
・JPS15と比較して、サイドポンツーンのJPSロゴが僅かに前方に移動している。
・JPSロゴが前方に移動した分、John Player Specialの文字に大きなスペースを割いている。
・ブラシスカートの部分はJPS15同様、ブラシスカート上端部分にアルミ製?のガイドレール追加。
<改訂履歴>
・v1.0(2011/8/17) 新規作成
【FILE 16. Rd.02 BRAZILIAN – Jan.22.1977】 v1.0
JPS16(78/2) Driver: Mario Andretti
参考資料:
・AutoSport 1977年3月15日号
・外部リンク >> 「A BOOKSHELF」
こちらが決勝でのJPS16の姿。上のFILE.15とほぼ一緒ですが、何故かコクピットカウルのユニオンジャックが消えています。
前日の炎上事故により消火剤まみれとなったJPS16ですが、メカニックの徹夜作業により日曜日にはほぼ完全に修復され、決勝レースに臨みました。予選3番手からスタートしたアンドレッティは、終始先頭集団の激しいバトルに割って入る健闘を見せますが、ジェームス・ハント(マクラーレン)、カルロス・ロイテマン(フェラーリ)に続く3番手走行中の20周目に、バッテリーターミナルの腐食(前日の炎上事故による消火剤が原因といわれている)によりイグニッションにトラブルが発生、リタイヤを喫しています。
<外観上の特徴>
・アップスイープ付きのサイドウィング装備。
・フロントノーズのカーナンバーはサイドに使用されているのと同様の角張ったタイプ。
・JPS15と同様、コクピットカウルにNACAダクト装備、ユニオンジャック無し。
・JPS15と比較して、サイドポンツーンのJPSロゴが僅かに前方に移動している。
・JPSロゴが前方に移動した分、John Player Specialの文字に大きなスペースを割いている。
・ブラシスカートの部分はJPS15同様、ブラシスカート上端部分にアルミ製?のガイドレール追加。
<改訂履歴>
・v1.0(2011/8/17) 新規作成
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