EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.13


もう気付くと一か月以上前の事となってしまうのが驚きですが、まずは先日のホビーフォーラムにてKetteringham Factoryのブースにお越し下さった方々に御礼申し上げます。今年は時間不足から満足のいく展示とはなりませんでしたが、それでも多くの方々との会話を楽しむ事が出来、とても楽しい時間を過ごす事が出来ました。重ねて御礼申し上げます。

そして、そのホビーフォーラムの会場でも事前告知が有ったのですが、来る12月18日におなじみモデルアート社の「オートモデリング」のVol.32が発売されます(写真)。今回の特集は何とロニー・ピーターソン!去る6月に発売されたRacing On誌No.477に続き何故に今、ロニーブーム?という感じですが、Ketteringham Factoryの同胞であるF氏、T氏を含めシニア世代のF1ファンの狂喜する姿が目に浮かぶ様です(笑)。
勿論ロータスF1に心酔する自分にとってもMust Buyの一冊になる訳ですが、とりわけ興味があるのが同誌で何度か行われているプロフィール(各マシンのレース毎の仕様を詳細な考証)で、今回は現在制作中のロータス72Eの1973年版を取り上げる様です。自分もこれまでの72E製作記の中で幾つかの考証については紹介して来ましたが、改めてその内容を検証するには良い機会となりそうなので、楽しみにしています。
という訳で今回のロータス72E製作記は、その考証結果を幾らか含んだデカールについて、Vol.8からの続編を紹介したいと思います。

まずは今回のホビーフォーラムの為に一通り完成まで持って行ったデカールシート。今回ホビーフォーラムを控えていた事もあり、このデカールを使用して実際に一度完成形まで持って行き、改めて版下の改善にフィードバックしようと考え、塗装済みの各パーツに貼付してみる事にした。Vol.8からの最大の相違はフィッティングした際にやはり多少のシルバリングが見られたので、その対策としてJPSストライプの周囲に黒を入れてみた事。印刷は変わらずALPSのMP-5500によるもの。色は通常のメタリックゴールドを使ったがやはりちょっと黄色過ぎるのが悩みどころ。

こちらはフロントノーズ3態。一見すると同じ様に見えるこの3態、実は自分なりのこだわりポイントがそれぞれ込められているのだが、、、多くの人にはどうでも良い自己満足の世界でもあり、本家EBBROのデカールでも、そして先に紹介したTABU DESIGNのフルデカールでも再現されていない。

まずこちらは1972年イタリアGPでのフィッティパルディ車仕様。カーナンバーは左向きに傾けられ、周囲のJPSストライプは直線的にノーズ上面の縁に沿って描かれている。フロントウィングは高速のモンツァに合わせて追加フラップが短縮されており、その分翼端板が後方にはみ出しているのが特徴。ちょっとフロントウィングのJPSストライプは前後が長すぎたか。ちなみにその上に記入されているJPSロゴは紹介の為に標準サイズにしているが、実際にこのレースでのフィッティパルディ車は次の写真で紹介する大型サイズが使われていた。

こちらは1973年フランスGPのピーターソン車仕様。1973年シーズン途中からカーナンバーの傾きがこの傾斜で統一された他、JPSストライプが丸みを帯びた形状となっている。但しJPSストライプの方は別に1973年仕様として統一された訳ではなく、1972年から既にJPSストライプはこの丸みを帯びた物と角張った物が混在していた。そしてフロントウィングのJPSロゴは大型の物が使用されているが、同じGPでのフィッティパルディ車は前の写真で紹介した標準サイズだった。

そしてもう一つ忘れてはいけないこだわりポイントが。1973年シーズンの一時期、恐らく第5戦ベルギーGPから第8戦フランスGP迄の間、ピーターソン車のフロントノーズのJPSストライプは車体側JPSストライプとの間に大きなズレが生じている。恐らくこれはピーターソンがベルギーGPのプラクティスでクラッシュしてノーズを破損し、前戦スペインGPで導入されたデフォーマブル・ストラクチャーの導入によって車体側のJPSストライプの間隔が広くなったところに旧72Dで使われていたノーズを付けた為ではないかと思われる。

そしてこちらは1973年後半戦仕様。恐らく第9戦イギリスGPからと思われるが、ピーターソン車のノーズは一新されて先のJPSストライプのズレが無くなった他、フロントウィングの追加フラップが廃止されてウィング本体が大型化し、ウィング上面のJPSストライプもこれに合わせて前後が長くなっており、ロゴも標準サイズへと戻された。後にフィッティパルディ車のフロントウィングも同仕様となっている。工作は容易で、ただキットのフロントウィング上面のフラップのモールドをペーパーを使って削り取るだけ。

こちらは1973年仕様のデフォーマブル・ストラクチャー。ALPSのプリンタは白をプリントした際の隠蔽力が弱いので、ユニオンジャックはキットの物をそのまま流用する。

こちらはウィンドスクリーン3態。手前から1972年フィッティパルディ車、1973年ピーターソン車、そして一番奥は1973年終盤2戦のピーターソン車。違いはミラー部分のJPSストライプの処理で、フィッティパルディ車はミラー部分の塗装の切り欠きが無く、ピーターソン車は切り欠きがある。そして1973年終盤2戦にはピーターソン車のミラー部分は塗装の切り欠きに合わせてJPSストライプが湾曲した形状となっている。またフィッティパルディ車は左右のミラー取付位置が異なる為、ミラー取付穴のモールドは埋めてしまった。ちなみにウィンドスクリーン上部の透明部分の幅を大きくとり過ぎてしまった為、John Player Specialの文字の上下がやや窮屈になってしまった。この写真では違いが判らないがそのJohn Player Specialの文字も、スクリーン上面に合わせて水平に並んでいる仕様も有れば、車体のウェッジシェイプに合わせて斜行して並んでいる仕様もある。実際には後者が多かった様だ。

ウィンドスクリーン前面のTEXACOロゴは大き過ぎてしまった。でも言いたいのはそこでは無く、それを囲むJPSストライプの形状。左は1972年イタリアGPでのフィッティパルディ車で、TEXACOロゴとの間隔が広く、角張った形状をしている。真ん中は極く標準的なタイプで、右は1973年シーズン後半にピーターソン車に用いられた、TEXACOロゴとの間隔が広く、かつ丸みを帯びた形状。

こちらはインダクションボックスで、1973年シーズン中盤まで用いられた物。

インダクションボックスは1973年シーズン後半に上部が大型化されたが、これに合わせてピーターソン車のJPSロゴも大型化されている。

こちらは1972年仕様のリアウィング。翼端板は前回紹介した自作エッチングによるもの。ウィンドスクリーンだけでなく翼端板のTEXACOロゴも大き過ぎた様だ。

こちらは1973年仕様のウィアウィングで、こちらも翼端板は自作エッチング。TEXACOロゴはユニオンジャック同様にキットの物を流用。

リアウィングのウィニング・ローレル。Vol.8でも触れたが、当時モノの本物のウィニング・ローレルをトレースした自信作だが、このスケールでは誰にも判らない自己満足の世界。

こちらは1973年終盤戦仕様のリアウィング翼端板。ちょっと大きさを強調しようと思って実際よりも前後に大きく作ったのだが、これが仇になってあまり似てない物になってしまったので、エッチングから本来の形状に戻して作り直す必要がありそうだ。

そしてこれが今回のホビーフォーラムに出店した1973年終盤戦仕様の72E。こうして見てみると雰囲気は悪くないし、修正点は幾つかあるものの完成度としては悪くないレベルに来ている感じがする。あとは何度も言うゴールドの色調を何とかすれば完成まで持って行けそうである。



– END –


3 thoughts on “EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.13”

  1. こんばんわ、ご無沙汰しております
    堀部です。
    いつも楽しく拝見させて頂いております。
    当方も、年末に拙いBlogを始めました。
    そこで、突然書き込みをさせて頂き、さらに不躾なお願い事で
    誠に恐縮ですが、当方のBlogに Linkさせて頂いても宜しいでしょうか?
    ご了承頂けると幸いです。
    よろしくお願いします。

    1. 堀部さん:
      こちらこそご無沙汰しています。
      そしてコメントありがとうございます。
      リンクの件、勿論結構です。是非宜しくお願い致します。

      こちらはサイトリニューアルの際にリンク欄を設けるのを忘れてしまい、
      未だ復活出来ていませんが、復活した際には是非堀部さんのブログと
      HPもリンクさせて下さい。

      宜しくお願い致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


*