カテゴリー別アーカイブ: 1/20 Lotus 72E by Ebbro

EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.14


半年以上続いた本拠地移転作業の間永らく休止状態となっていた1/20Lotus72E製作、久々再開の今回は、このキット最大の難関と言えるフロントサスペンション周りの製作です。

製作再開にあたってどうにもモチベーションが上がらなかった原因はこのモノコックのバルクヘッドとフロントサスのクロスメンバーを兼ねたこのパーツ。写真ではメタリック塗装を想定して黒く塗ってあるが、モールドが浮き上がっている部分はクロスメンバーでグレーに塗装、その他の部分はモノコック表面なのでアルミに塗装するのだが、この塗り分けをどうするか、で悩んだ。勿論普通にマスキングして塗り分ければ良いし、特段難しい訳でも無い。そして何より完成してしまえば殆ど見えない場所。しかし何故だかモチベーションが上がらない。さてどうするか考えた結果、、、

自分でもなぜこんな難しい解決策を選んだのか不明だが、何故かモノコックのアルミ部分のエッチングパーツを自作する事に。クロスメンバーの部分をグレーに塗った後、モノコック表面にこのエッチングパーツを貼り付ける。
ついでなのでその他のモノコック部分の表面もエッチングパーツで作ってみた。これでこのパーツの外側は塗装の必要がなくなる事に。更にどうせならモノコック内側も作れば良かったのだが、寸法を取るのが面倒だったので中途半端に省略。

エッチングパーツを貼り付けてパーツを組み立てたところ。クロスメンバーは自分の印象からキットの指定よりも明るいグレーを選んでみた。尚、フロント側のクロスメンバーは組み立てる前に塗装したのが、後から塗装した方が良かった。

フロントブレーキディスクの表面にはSTUDIO27の72C用エッチングパーツを貼り付けた。同パーツはディスク表面に円状の溝が切ってあるのだが、今回は敢えて裏返してソリッドな表面にしてみた。ブレーキシューが入る切り欠き部分はやや狭かったのでヤスリで削って幅を広げた。

プルロッドとダンパー組み立て、ブレーキディスクを差し込んだたところ。ダンパーの胴体部分にはアルミ箔(メタルック)を貼り付けて金属感を出してみた。ダンパー上部の色は写真では様々な色が確認出来るものの、どうも新品状態では黄橙色の様だ。ここでは橙色にしてアクセントを付けてみた。尚、ブレーキディスクのパーツは、モノコックとの接続部分かなりタイトで入れ辛いので、少し削ってストレス無く入る様にした。

モノコック上面にはSTUDIO27の72C用エッチングパーツをそのまま使用。金属感がいい感じだ。

キットの指示に従ってアンチロールバー、ロワアーム、アップライト、タイロッドを組み付ける。因みにインストラクションの塗装指示は72Cの色をそのまま記載しており72D以降の塗装とはかなり異なっているので、写真を基に独自に考証して塗り分けた。そしてモノコック前面にブレーキ関係の配管をこれまた写真を参考に、モデラーズのホースジョイントと0.6mm径のメッシュホースで再現した。

ここまでの仕上がりが結構気に入ったので、これにEBBROのオプションパーツであるメタル製のフロントサブフレームを組み付けてみる事にした。取り付けは容易で、元々キットのモノコックとクロスメンバー部分に取付用の穴が開けられているので、そこへ差し込むだけ。

サブフレームを差し込んで位置を微調整し瞬接で固定して完成。各所にエッチングパーツやメタルックを使用したお陰でかなり金属感が出た仕上がりとなった。完成後は見え辛い場所なのだが、下からでも覗いてみたくなる。

個人的にはこのフロントサス部分はこのキットの最大の難所だと思います。EBBROのパーツは非常に繊細に出来ている為、特に今回の様にディティールアップをする場合には途中パーツの破損に十分に気を付ける必要がありますが、その分仕上がりは実車の複雑な構造をよく再現しており、完成後も敢えてフロントノーズを外して飾りたい程の仕上がりになります。


– END –


EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.13


もう気付くと一か月以上前の事となってしまうのが驚きですが、まずは先日のホビーフォーラムにてKetteringham Factoryのブースにお越し下さった方々に御礼申し上げます。今年は時間不足から満足のいく展示とはなりませんでしたが、それでも多くの方々との会話を楽しむ事が出来、とても楽しい時間を過ごす事が出来ました。重ねて御礼申し上げます。

そして、そのホビーフォーラムの会場でも事前告知が有ったのですが、来る12月18日におなじみモデルアート社の「オートモデリング」のVol.32が発売されます(写真)。今回の特集は何とロニー・ピーターソン!去る6月に発売されたRacing On誌No.477に続き何故に今、ロニーブーム?という感じですが、Ketteringham Factoryの同胞であるF氏、T氏を含めシニア世代のF1ファンの狂喜する姿が目に浮かぶ様です(笑)。
勿論ロータスF1に心酔する自分にとってもMust Buyの一冊になる訳ですが、とりわけ興味があるのが同誌で何度か行われているプロフィール(各マシンのレース毎の仕様を詳細な考証)で、今回は現在制作中のロータス72Eの1973年版を取り上げる様です。自分もこれまでの72E製作記の中で幾つかの考証については紹介して来ましたが、改めてその内容を検証するには良い機会となりそうなので、楽しみにしています。
という訳で今回のロータス72E製作記は、その考証結果を幾らか含んだデカールについて、Vol.8からの続編を紹介したいと思います。

まずは今回のホビーフォーラムの為に一通り完成まで持って行ったデカールシート。今回ホビーフォーラムを控えていた事もあり、このデカールを使用して実際に一度完成形まで持って行き、改めて版下の改善にフィードバックしようと考え、塗装済みの各パーツに貼付してみる事にした。Vol.8からの最大の相違はフィッティングした際にやはり多少のシルバリングが見られたので、その対策としてJPSストライプの周囲に黒を入れてみた事。印刷は変わらずALPSのMP-5500によるもの。色は通常のメタリックゴールドを使ったがやはりちょっと黄色過ぎるのが悩みどころ。

こちらはフロントノーズ3態。一見すると同じ様に見えるこの3態、実は自分なりのこだわりポイントがそれぞれ込められているのだが、、、多くの人にはどうでも良い自己満足の世界でもあり、本家EBBROのデカールでも、そして先に紹介したTABU DESIGNのフルデカールでも再現されていない。

まずこちらは1972年イタリアGPでのフィッティパルディ車仕様。カーナンバーは左向きに傾けられ、周囲のJPSストライプは直線的にノーズ上面の縁に沿って描かれている。フロントウィングは高速のモンツァに合わせて追加フラップが短縮されており、その分翼端板が後方にはみ出しているのが特徴。ちょっとフロントウィングのJPSストライプは前後が長すぎたか。ちなみにその上に記入されているJPSロゴは紹介の為に標準サイズにしているが、実際にこのレースでのフィッティパルディ車は次の写真で紹介する大型サイズが使われていた。

こちらは1973年フランスGPのピーターソン車仕様。1973年シーズン途中からカーナンバーの傾きがこの傾斜で統一された他、JPSストライプが丸みを帯びた形状となっている。但しJPSストライプの方は別に1973年仕様として統一された訳ではなく、1972年から既にJPSストライプはこの丸みを帯びた物と角張った物が混在していた。そしてフロントウィングのJPSロゴは大型の物が使用されているが、同じGPでのフィッティパルディ車は前の写真で紹介した標準サイズだった。

そしてもう一つ忘れてはいけないこだわりポイントが。1973年シーズンの一時期、恐らく第5戦ベルギーGPから第8戦フランスGP迄の間、ピーターソン車のフロントノーズのJPSストライプは車体側JPSストライプとの間に大きなズレが生じている。恐らくこれはピーターソンがベルギーGPのプラクティスでクラッシュしてノーズを破損し、前戦スペインGPで導入されたデフォーマブル・ストラクチャーの導入によって車体側のJPSストライプの間隔が広くなったところに旧72Dで使われていたノーズを付けた為ではないかと思われる。

そしてこちらは1973年後半戦仕様。恐らく第9戦イギリスGPからと思われるが、ピーターソン車のノーズは一新されて先のJPSストライプのズレが無くなった他、フロントウィングの追加フラップが廃止されてウィング本体が大型化し、ウィング上面のJPSストライプもこれに合わせて前後が長くなっており、ロゴも標準サイズへと戻された。後にフィッティパルディ車のフロントウィングも同仕様となっている。工作は容易で、ただキットのフロントウィング上面のフラップのモールドをペーパーを使って削り取るだけ。

こちらは1973年仕様のデフォーマブル・ストラクチャー。ALPSのプリンタは白をプリントした際の隠蔽力が弱いので、ユニオンジャックはキットの物をそのまま流用する。

こちらはウィンドスクリーン3態。手前から1972年フィッティパルディ車、1973年ピーターソン車、そして一番奥は1973年終盤2戦のピーターソン車。違いはミラー部分のJPSストライプの処理で、フィッティパルディ車はミラー部分の塗装の切り欠きが無く、ピーターソン車は切り欠きがある。そして1973年終盤2戦にはピーターソン車のミラー部分は塗装の切り欠きに合わせてJPSストライプが湾曲した形状となっている。またフィッティパルディ車は左右のミラー取付位置が異なる為、ミラー取付穴のモールドは埋めてしまった。ちなみにウィンドスクリーン上部の透明部分の幅を大きくとり過ぎてしまった為、John Player Specialの文字の上下がやや窮屈になってしまった。この写真では違いが判らないがそのJohn Player Specialの文字も、スクリーン上面に合わせて水平に並んでいる仕様も有れば、車体のウェッジシェイプに合わせて斜行して並んでいる仕様もある。実際には後者が多かった様だ。

ウィンドスクリーン前面のTEXACOロゴは大き過ぎてしまった。でも言いたいのはそこでは無く、それを囲むJPSストライプの形状。左は1972年イタリアGPでのフィッティパルディ車で、TEXACOロゴとの間隔が広く、角張った形状をしている。真ん中は極く標準的なタイプで、右は1973年シーズン後半にピーターソン車に用いられた、TEXACOロゴとの間隔が広く、かつ丸みを帯びた形状。

こちらはインダクションボックスで、1973年シーズン中盤まで用いられた物。

インダクションボックスは1973年シーズン後半に上部が大型化されたが、これに合わせてピーターソン車のJPSロゴも大型化されている。

こちらは1972年仕様のリアウィング。翼端板は前回紹介した自作エッチングによるもの。ウィンドスクリーンだけでなく翼端板のTEXACOロゴも大き過ぎた様だ。

こちらは1973年仕様のウィアウィングで、こちらも翼端板は自作エッチング。TEXACOロゴはユニオンジャック同様にキットの物を流用。

リアウィングのウィニング・ローレル。Vol.8でも触れたが、当時モノの本物のウィニング・ローレルをトレースした自信作だが、このスケールでは誰にも判らない自己満足の世界。

こちらは1973年終盤戦仕様のリアウィング翼端板。ちょっと大きさを強調しようと思って実際よりも前後に大きく作ったのだが、これが仇になってあまり似てない物になってしまったので、エッチングから本来の形状に戻して作り直す必要がありそうだ。

そしてこれが今回のホビーフォーラムに出店した1973年終盤戦仕様の72E。こうして見てみると雰囲気は悪くないし、修正点は幾つかあるものの完成度としては悪くないレベルに来ている感じがする。あとは何度も言うゴールドの色調を何とかすれば完成まで持って行けそうである。



– END –


EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.12


今回はエッチングパーツ製作の第2回目、1回目の顛末から試作品の完成までです。

最初に前回のトライの結末から。結果はご覧の様な大失敗。何をどうやったらこんな状態になるのか不思議な程だが、敢えてここは後を振り返らずにリベンジを期す事に。

先ずは版下を作り直す。前回の失敗はエッチング液が少な過ぎた為に飽和状態に達してエッチング処理が進まず、そうこうして居る間に焼き付けたパターンが無用な腐蝕を起こしたのが原因なので、今回はエッチング液をしっかり使い、その分一度に多くのパーツを制作出来る様にした。ポイントはエッチング液の飽和を抑える為、エッチングさせる部分の面積を最小限に抑える様にした事。版下が完成したら前回同様にレーザープリンタで出力。この時印刷濃度を可能な限り濃くするのがポイント。

版下の表裏が寸分の狂い無く合わせられる様、版下には位置合わせの為のトンボを設ける。表裏を合わせる為にはライトボックス等を使うとやり易い。幸い自分のデスクはガラステーブルの様になっているので、ここに秋葉原で\1,500程度で購入した蛍光灯風のLEDライトを固定してライトボックスの機能を果たせる様に改造した。

版下の表裏を合わせたら前回同様にエッチング処理する金属板(今回は厚さ0.2mmの洋白板を使用)を挟み込んで固定してラミネーターに掛け、その後ぬるま湯に浸けて紙部分を除去する。この時エッチングさせる部分の紙をしっかり除去するのは当然だが、パターン部分は紙をしっかり除去しつつもパターンに傷を付けたりしない様に注意する。もしパターンが欠けてしまったりした場合はフェルトペン等でタッチアップしておく。

エッチング処理の前にパターンの印刷範囲外になった金属板外側部分をエッチングしてしまわない様にマスキングテープで覆う。またこの時、エッチング処理時に金属板を手で引き揚げられる様にビニール紐を取り付けてみた。これでエッチング前の作業は完了。

エッチング作業には、参考にしているF式のページでは通常のプラスチック容器を使用しているが、ここはひとつ必勝態勢を敷く為に専用のエッチング器具を購入する事に。購入したのは最も手頃なサンハヤト社製卓上エッチング装置ES-10同社製セラミックヒーターKTS-210。実売価格はそれぞれ\8,000程度。安くない出費だがエッチングパーツが自作出来ると今後何かと便利だし、その為の投資と割り切る。

エッチング液はやはりサンハヤト社製H-1000Aを購入。1ℓ入りの徳用サイズで、しかもエッチング作業で最も気を付けなければならない廃液処理の為の処理剤と処理専用ビニール袋が付属しているのが有り難い。実売価格は\2,800程度。因みに上記エッチング用品は全て秋葉原の千石電商で購入した。エッチングはプリント基板を自作する電子工作マニアには必須の技術で、サンハヤト社もプリント基板用品のメーカーである。千石電商は若かりし頃に東京ラジオデパートと共に電子工作用のパーツを物色する為に足繁く通ったが、まさかこの歳になって模型制作の為にエッチングに手を出すとは当時想像だにしなかった。

その他F式の教えに従い、エッチング液よりも効率の良いエジンバラエッチ液を作る為のクエン酸、洗浄液に使用する重曹、作業用のトレーを100均ショップで、精製水をドラッグストアで買い揃える。

必要な道具が揃ったらいよいよ実作業に取り掛かる。ここもやはりF式の教えに従いエジンバラエッチ液を800cc程作ってエッチング装置に注ぎ入れてヒーターとポンプのスイッチを入れる。液温が40度に達するまでの間に洗浄液を作ってスタンバイし、液温が40度になったらいよいよ金属板を装置に投入する。

投入後もタイミングを見て金属板を引き上げてエッチング状態をチェック。時間は金属板の厚さやエッチング液の飽和状態によりまちまちだが、今回のケースではおよそ10分後にエッチング部分が抜け始めた。

エッチング部分が抜け始めたら慎重に進行状態をチェックしながら残り部分のエッチングを進める。場合によっては1枚の金属板でも一部のパーツはエッチングが終わって脱落しかかっているのに一部のパーツはまだエッチング部分が抜け切らない、なんて事もある。脱落しそうなパーツは装置の底に落としてしまわない様に早めに外してしまう。

投入よりおよそ15分後、エッチング処理が完了したら金属板を装置から引き上げて洗浄液に入れる。この時パターンが溶けて剥がれる事もあるが、気にせず先へ進む。

洗浄液から泡が出なくなったら水洗いし、マスキングテープを剥がす。金属板に焼き付けた黒いパターン部分は洗浄液に浸けた段階で有る程度勝手に剥がれるが、残った部分は我々モデラーが通常使っているシンナーやペイントリムーバー等を使って溶かし落とす。

右側はパターンを溶かし終えた状態。当初懸念された両面エッチングの表裏のズレによるパターンの不整合も無く、またディティールも直径1mm以下の穴や微細なパターン等もしっかり再現されているが、この2枚は元々の洋白板の輝きは失われて表面が錆びたかの様にドス黒くなっているのが判る。これはエッチング液が飽和状態に近づいてしまった為に処理に時間が掛かる様になり、その間にパターンからエッチング液が浸透して表面に腐蝕を発生させてしまう為。こうなったらもし元の金属板の質感を活かしたい場合や表面を平滑にしたい場合は表面をペーパーとコンパウンドで磨いてやる必要があるが、当然この表面の腐蝕は少ない方が作業が楽である。事実次の写真の物はエッチング液が新しい状態だった為に表面の腐蝕が少なく、コンパウンドを付けた布で擦るだけで洋白板の輝きが蘇った。

一部のパーツが途中で脱落しているものの、こちらが出来上がったエッチングパーツ。一部まだ磨き足りないがほぼ元の洋白板の輝きを取り戻していて、パターンの巧拙はあるものの見た目の精度はほぼ市販のエッチングパーツと遜色無いクオリティに仕上がった。

かくして自作エッチングパーツを作るというチャレンジは幾らかの苦労を経て完成を見ました。当初は「本当に自分に出来るのか?」という疑問からネットリサーチをしてみると、今回参考にしたF式をはじめ多くの先人達が述べていた事は「やってみると意外と簡単」という事で、これは自分も感じた事でした。今回自分は今後の為の投資と思い器具を購入しましたが、ワンオフで作るのであれば本格的な器具は必要ありませんし、コストもそれ程掛かるものではありません。そして何より出来上がった時の満足感は高いものでしたし、今後同様にエッチングパーツが必要になった際に使える技術を習得したという事が個人的には大きかったです。

– END –


EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.11


いつもながら気まぐれな更新が続いているこの1/20 Lotus72E製作記ですが、実は長いブランクの間に何もしていなかった訳では無く(いや、何もしていなかった事もありましたが)、新たな技法にチャレンジしたりしている事もあります。今回はそんなチャレンジの一つであるエッチングパーツの自作について2~3回に渡って紹介したいと思います。

そもそもエッチングパーツを自作したいと思うようになったのは72D仕様や1973年終盤戦仕様のリアウィング翼端板を自作していた時に、どうしても角度調整の穴をピンバイスで開ける際、メインエレメント後端から放射状に開いているべきなのが、ハンドでやるとどうしてもヨレヨレになってしまう。勿論プロモデラーならばそこをビシッと決めて来る訳だが、自分にはとてもそんな事は出来そうもない。しかしエッチングならPCでデザイン出来るから正確な形状が期待出来るし、その他にも正円とか自作では難しいパーツも製作する事も出来る。しかし経験もなければ何をどうすれば良いのか、皆目見当も付かないのでネットリサーチをしていたら、やはり偉大な先人は居るもので幾つかのエッチングパーツ自作例を見つける事が出来た。自分はその中でも最も手軽と思われる、モデラーサイト「闇鍋模型ドットコム」を主宰されている藤崎氏が編み出した「F式」を採用する事とした(F式の詳細はこちらのリンクを参照。その工法から、エッチングで問題となる廃液処理の方法まで懇切丁寧に記載されており、このサイトを見るだけで全容が理解出来る)。藤崎氏にはこの場を借りて多大なる御礼を申し上げたい。

クラシック・チーム・ロータスが所有する72E(1973年仕様)のリアウィング翼端板。メインエレメントの角度を調整する為のボルト穴が綺麗に放射状に開いているが、自分にはどうにもこれが上手く行かない事で、エッチングパーツの製作を決意する事に。

先ずは版下をAdobe Illustratorで製作。実は製作しようと思ったパーツを全てデザインしようとしている間に数カ月の時間が過ぎてしまい、しかも途中でモチベーションが低下する有様。何とかモチベーションを保つ為に、深い事を考えずに出来上がったパーツを利用して先ずはトライしてみる事とし、適当にパーツとゲートを作ってレイアウトしてゆく。エッチングには片面のみにモールドがある片面エッチングと、表裏両面にモールドがある両面エッチングがあるが、ここは敢えて両面エッチングにトライする為に表裏両面分の版下を制作する。完成したらこれをレーザープリンタで印刷する。印刷の際に画質が調整出来る場合は、カラーはモノクロームでコントラストを最大にしておくと、トナーの黒部分が濃く出力される為に後の工程で金属板への定着が安定し易い。

F式ではレーザープリンタで紙に印刷されたトナー部分を、ラミネーターを使って金属板へ加熱圧着するという方式を取る。自分が購入したのはアイリスオーヤマのLTA42Wで、A3用とA4用の2サイズがあり、3段階の温度調節が出来て市場価格5,000円程度(A4用)とコストパフォーマンスが高い。因みに今回の使用例はラミネーター本来の使用法から外れる為、万一故障・事故の際自分でリスクを負う事となる。

こちらは東急ハンズ渋谷店で購入した100×200×0.2の金属板。本番では洋白板を使うが、今回は実験用なので比較的価格が安い真鍮板を使う。

紙というものは同じに見えても同じではない。通常レーザープリンタで使用されるOA用紙はトナー圧着後に紙を除去する際に紙からトナーが剥がれ難くF式には向いていない。自分も事前に水溶性の紙など幾つかの物をトライしたものの、結局F式で推奨している富士フイルム製のインクジェットペーパープリンター用紙「画彩 マット仕上げ」がベストだった。やはり先人の知恵というものは偉大なりと実感した次第。

印刷した紙を版下の表裏が合わさる様に折り曲げ、間に金属板を挟んでマスキングテープで固定、そして紙の端をやはりマスキングテープを使って固定する。両面エッチングの場合はこの表裏がピタリと寸分の狂い無く合わせる必要があるので、版下の脇に位置合わせ用のトンボを入れる等の工夫が必要。しっかりと両面を合わせた積りだが、その結果は実際に金属板をエッチングしてみないと判らない為、作業は慎重に行う必要がある。

ラミネーターを最も高い温度にセットして予熱が完了したら、金属板を挟んで固定した紙をラミネーターに掛ける。手で触っても熱くない位に熱が冷めたら、ぬるま湯を入れた洗面器へそのまま投入して3~5分程度待つ。

金属板からマスキングテープと水を含んだ紙を剥ぎ取ると印刷部分が金属に貼り付いた状態になる。しかし一度ではそうキレイに紙は剥がれずに一部印刷面に残るので、その際は印刷面を引っ掻いたりしない様に注意し、無理をせず慎重に引き剥がしていく。それでもトナーの乗っていない金属部分に紙の膜が残った場合には、指の腹で丁寧に擦り取る。

乾燥後、金属部分に紙の膜が残っていないか再度確認する。もしこれが少しでも残っていると後のエッチング工程で腐蝕の障害となり、期待した形状が得られなくなるので消しゴムを使用して擦り取る。逆にトナーがベタに付いている部分は多少紙が残っていても問題は無い。
こうしてエッチング工程直前の状態まで出来上がった。コンマ数ミリ幅の微細なパターンも切れる事無くしっかり再現されており、思った以上のクオリティの高さに驚いた。

この後にいよいよエッチング工程に入りますが、今回はここまでです。

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EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.10


ロータス72E製作、今回はインパネ周りの製作です。

まずはキットのインパネにSTUDIO27の72C用のメーター周りのリングパーツを接着する。接着前にインパネ部分のパーツのモールドを一旦全て削り落とすべきか、それともそのままモールドの上から接着してしまうべきか迷ったが、より立体感が出る事を期待して後者のやり方にした。インパネ下部のシャシープレートは貼付位置が時期により異なり正確なところは不明。恐らく72D迄は左下、72E以後は右下に貼付された事が多かった様だ。写真上の裏側部分はプラ棒で適当にメーターのメカ部分を再現。

エンジンのカムカバーの時と同様、一旦セミグロスブラックで塗り潰し。

その後メーターのリング部分のみをシンナーで拭き取る。尚72Eの一部は右側のメーターリングは黒だった様なので、右側のパーツはこの状態を再現してみた。

メーター裏のワイヤリングは完成後も僅かに見えるので是非再現したいところ。しかし完璧にやろうとするととても完成出来ないので、自分のやる気・技量と相談しながら妥協点を探った結果、こんな感じに落ち着いた。

メーター目盛部分にキットのデカールを貼付し、その上からいつも使っているGSIの水性トップコート(光沢)を面相筆に掬い取ってリング内に滴下してガラス面の光沢を表現する。

スイッチはさかつうのボタンスイッチとトグルスイッチを使用。ちょっとここまでの工作がイマイチだったのが、スイッチを付けただけでグッと立体的でイイ感じになった。

これを何だかんだやりながら3台分製作。

コクピットのバーツを組み立て、ドライバーの左側にケーブルを通すスペースをプラ板で追加。尚、クラシック・チーム・ロータスが所有する72E/9には右側にも同様のスペース(幅は狭い)が存在していたので右側も再現してみたのが写真に写っているが、少なくとも1973年当時のシャシーには存在していなかった事が後から判明し、折角作ったものを塗装前に撤去する羽目に。

塗装はタミヤTS-83メタルシルバーを使用。本品は塗装前にブラック塗装&研ぎ出しでかなり鏡面に近い仕上がりになる(らしい)が、アルミっぽさを残す為に敢えて研ぎ出さずに使用。何とも表現しづらいがアルミの粉っぽさと模型的金属感がミックスした不思議な質感になった。

インパネ左裏から伸びたケーブルはコクピット左側のスペースへ通し、右裏のケーブルはコクピット内のスペースへ埋め込んで処理しつつ、インパネをコクピットへ固定して完成。


もう一度インパネ部分のクローズアップ。当初インパネ下部部分の穴には極小リベットを通す予定だったのだが、開穴しただけでも十分リベットっぽくなっているので、これ以上進めるべきか悩み中。

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