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1/20ロータス102製作 – Vol.3


今回で3回目になる1/20ロータス102製作記、今回よりいよいよキットの製作に入って行きます。


今回のロータス102製作の為に用意したアイテム。右は言うまでもなくベースキットとなるタミヤのロータス102B。タミヤは1991年にチーム・ロータスがピーター・コリンズ体制で全くのゼロからの再スタートを切った際、最初にスポンサーになった企業で、このキットはそのスポンサードを記念して発売されたキット。そしてその左にはSTUDIO27製の同キット用エッチングパーツセット。今回フロント/リアウィングの翼端板や、その他諸々を利用する予定。そしてその手前にはSHUNKO(俊光)製の102用デカールセット。前回紹介した通り、キット付属のデカールも品質は良好で充分使用に堪えるのだが、SHUNKO製はブルーの色調がキット付属の物よりも明るく自分好みなので、敢えてこちらを使用する事にした。


先ずはマニュアルの指示通り、ベースキットのコクピット部分のパーツをモノコックに合わせて削り込む。但しマニュアルではベースキットと同じく、インパネをフロント側のバルクヘッドに固定する様に指示しているが、今回はインパネをモノコック裏側に直接接着してしまう事にした為、完成後はまず見えないバルクヘッド上部は思い切ってカットしてしまう事にした。


右ラジエーターのエアアウトレット部分は、そのまま組み立てると内側リア寄りにパーツの厚みの分だけ段差が出来てしまうので、エポキシパテを使ってなだらかに整形。同時にフロント側はヤスリを使って薄く削り込む。ロールバー右側にはインターコムのコネクタを格納する四角形の窪みが有るのでこれを再現(赤○部分)。リアカウルのウィングレットもヤスリとペーパーを使って薄く削り込む。


特徴的なバットマン・ディフューザーも、垂直になっているスプリッター部分を中心に薄く削り込む。逆に上部の曲面部分は元々それなりに厚みが有る部分なので、形を整える程度で十分。また、ハンドメイドキット故にエッジ部分が甘くなっているので、ヤスリとペーパーを使って全体的にシャープになる様、形を整える。


モノコック部分を#500のサーフェーサーとペーパー掛けをしながら形を整える。同時にフロントサスペンション取付部分の穴を、パーツがストレス無く入る様に形を整える。またこの際、前回紹介した通りステアリングロッド部分の穴が102B仕様になっていた部分を修正、正しい位置に穴を開け直す(赤○部分)。


折角キットに付属していたリアカウルのウィングレットだったが、形状がどうしてもコークボトル部分の曲面にフィットしなかった為、結局プラバンで作り直す事に。ラジエーターアウトレット部分のパーティングラインは、直線的になる様に引き直し、エッジ部分もシャープになる様に加工したたつもりだったが、どちらもベース部分の甘さがやや残ってしまった。


フロントウィングの翼端板はSTUDIO27のエッチングパーツをベースに、プラバンで延長部分の曲面を作り、更に隙間をエポキシパテで埋めて自作。塗装後にスカートを追加してやる。


一方リアウィングの翼端板はSTUDIO27のエッチングパーツをそのまま利用。因みに本作品は、本当は空力至上マシンである102らしく、リアウィングはローダウンフォース仕様かつ翼端板は前後長の短い(幅が狭い)高速サーキット仕様にしたかったのだが、この中・低速サーキット仕様のエッチングパーツを活かす為、ポルトガルGP仕様として製作する事にした。


ミラーはベースキットの物を使用するが、この支柱もカッターの刃を立てて薄く削り込む。但し支柱には元々多少の厚みが有る為、紙の様にペラペラになるまでにはせず、程々に留める。


フロントウィングのメインエレメントは、ノーズ部分との隙間を埋める為、#500のサーフェーサー掛け時に予めノーズに固定してしまった。ここまで完了したらホワイトサーフェーサーを吹き、塗装準備が整った。因みにベースキットのパーツを流用するミラーやリアウィングのエレメントも、同時にホワイトサーフェーサーを吹いておいた。

今回はここまでになります。この後いよいよキャメルイエローへの塗装、そして車体側パーツの製作に取り掛かります。

– END –


1/20ロータス102製作 – Vol.2


1/20のロータス102は現在どこのメーカーからもフルキットは発売されていない為、最も一般的なのはタミヤから発売されているロータス102Bをベースにするのが常道となるでしょう。そして当然?この事を見越してこれまで幾つかのトランスキットが、熱意あるプライベーターから散発的に発売されて来ました。Ketteringham Factoryでも過去にこれらのキットを目にして来たのですが、今回製作するのはその中でも現在のところベストキットと言える、日本のプライベーターNobulandから昨年登場したトランスキットで、今回はこのキットの内容をチェックしながら紹介したいと思います。

日本のプライベートメーカー、Nobulandから発売されている、「T102 1990 Rd.15 JAPAN」。F1のガレージキットも近年STUDIO27とModel Factory Hiroの「2大勢力」が、CAD/CAMと本格的な生産設備を駆使して素晴らしいクオリティのキットをリリースし続けているが、そんな中でもこの様な熱いプライベーターが頑張っているのは嬉しい限り。ハンドメイドのキット故、クオリティでは当然これらメーカーのキットからは数段劣ってしまうが、それでも随所にこだわりと作りやすさへの配慮が見られる。価格はやや高いが、これまで発売されて来た同種のトランスキットとは一線を画す内容となっている。

こちらはレジンパーツ。ボディは、モノコック、フロントノーズ、リアカウルが一体成型されている。また同種のキットでは恐らく初めてのポイントとして、ロールバーと左ラジエーターアウトレットを別パーツで構成しており、またエンジンとギアボックスもベースキットの流用ではなく新たにパーツを起こしており、加工不要としているのが素晴らしい。

メタルパーツはフロントウィング(本体、フラップ、翼端板)に加えて左ラジエーター、リアカウルのウィングレット、エキゾーストパイプと日本GPのジョニー・ハーバート仕様の変形ステアリング。因みにエキゾーストパイプをベースキットから流用しないのもこのキットが初めてと思われる。

デカールはこれまではSTUDIO27がイベント用として発売していたデカールを使うのが常道だったが、このキットでは初めてフルデカールを付けている。品質も良さそうだ。

次にボディ部分のチェック。表面は概ねスムーズでレジンの気泡も無く、クオリティは良好。ただ残念ながらフロントのステアリングロッドの位置(写真赤○部分)が102B仕様になっているので、ここは修正が必要。

左ラジエータアウトレットはダクト部分と共に別パーツで構成されている。エッジ部分が甘いのはハンドメイド故に仕方の無いところ。カウル後下端(写真赤△部分)は、キットでは黒塗装とする事を意図したものと思われるが、本来はアンダートレイと一体になっている部分なので、後に切り落としてアンダートレイに接着することにした。

エンジンカウル部分は後方に向かってやや広がった形状をしている。実車ではもう少し上面から見て直線的になっている様にも見えるが、イイ感じな形状になっているのでとりあえず修正はしない事にした。

このキットで最も素晴らしいと思うのは、フロントサスペンションの取付部分をベースキットと同じ形状にして、ベースキットのパーツを無加工で取り付けられる様に工夫している事(当然、多少の擦り合わせは必要)で、組み立て易さへの配慮が行き届いている。

では、いよいよこのキット製作に入りますが、今回はここまで。

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1/20ロータス102製作 – Vol.1


ここまで1年間・24回に渡って続けて来た「Lotus78 History & Markings」も丁度1977年シーズンも終了という事で、一旦小休止とします。その理由は、久し振りに製作意欲が高まって来た(一部嘘です?)ので、1/20キット作りに勤しもうと考えた次第です。「Lotus78 History & Markings」の1978年シーズン編は、7月中頃から再開の予定としたいと思います。

写真:2004年7月18日、イギリス・ノーフォークのロータス・カーズ本社で行われたチーム・ロータス創立50周年記念イベントで展示された102(シャシープレートを撮り忘れた為、号車はは不明)。現在は実走可能なランボルギーニ・エンジンを搭載してフルレストアされているが、この当時はダミーエンジンで走行は不可能だった。フロントウィングのボルテックス・ジェネレータも102Bの物で、オリジナルではない。

さて、で肝心のキットですが、何を作ろうかとその選択に悩む事数週間、ここまで78や79の事について色々リサーチに取り組んで来たKetteringham Factoryですので、当然78 or 79かと思いきや、結果選択したのは意外にも1990年のロータス102/ランボルギーニという事になりました。

– END –