アレックス・ザナルディ、リオでも金メダル!




写真:2008年10月25日、岡山国際サーキットで行われたWTCCのパドックにてサインを求めるファンに応じるザナルディ(写真は過去の投稿の使い回しでスミマセン…)。

9月14日〜16日に行われたリオデジャネイロ・パラリンピックにて、元ロータスF1ドライバーのアレックス・ザナルディ(本名:アレッサンドロ・ザナルディ)が14日の自転車ロード男子個人H5クラスタイムトライアルで金メダル、15日の同クラスロードレースでは銀メダル、そして16日(日本時間17日未明)の団体リレーで金メダルを獲得、リオでも金2、銀1の3メダルを獲得しました!

リオデジャネイロは20年前の1996年にCARTデビューわずか2戦目で初ポールポジションを獲得、そしてレース序盤にトップを走行してその存在を強烈にアピールした場所。当時のネルソン・ピケ・サーキット(ジャカレパグア・サーキット)は今回のオリンピック&パラリンピック会場となって跡形も無くなってしまいましたが、そのリオにハンドサイクル・レーサーとして帰って来たザナルディは14日のタイムトライアル(10km×2周=20km)では1周終了時にトリップ・スチュワート選手(オーストラリア)に20秒近い大差を付けられて3位だったものの2周目に追い上げて逆転、28分36秒81のタイムで優勝しロンドンの個人2冠に続き3つ目の金メダルを獲得しました。
そして、あのラウジッツでの両脚切断の大事故から丁度15年となった翌15日、10選手の出走で行われたレース(10km×4周=40km)では、3周終了時点まで9選手が1秒以内で争う展開となり、そして最終周のスパートでザナルディは前回2012年のロンドン・パラリンピックでザナルディに敗れて銀メダルだったエルンスト・ヴァン・ダイク選手(南アフリカ)の背後に付けて最終コーナーを立ち上がりましたが、今回はヴァン・ダイク選手がザナルディの追撃を振り切って優勝、ザナルディは0秒差での2位となり惜しくも2大会連続個人2冠達成は成りませんでした。
しかし、前回ロンドン大会で銀メダルに終わった団体戦でザナルディのイタリアは序盤にトップに浮上するとその後は2位のアメリカとの差をみるみる広げ、最終的に47秒の大差を付けて32分34秒のタイムで優勝、ザナルディはロンドン同様全ての種目で金または銀メダルを獲得、2大会で実に金4、銀2というメダルコレクター振りを見せました。

今回もこのザナルディの偉業に対して世界中のモータースポーツ関係者・ファンから称賛の嵐が巻き起こった訳ですが、まさに限界という言葉を知らないザナルディ、当然次の2020年東京大会でも53歳になる年齢をもモノともせずその雄姿を見せてくれるに違いありません。その日を心待ちにしたいと思います。そしてそれだけでなく、彼が以前口にしていたモータースポーツへの再挑戦、特にインディ500やデイトナ24時間への参戦が実現する事を楽しみにしています。

Ketteringham Factoryでは、来る11月6日(日)に横浜大桟橋で行われる「ホビーフォーラム2016」にて、この偉業を記念してザナルディがドライブしたマシンのモデルを幾つか展示したいと思います(「ホビーフォーラム2016」については後日改めて案内します)。

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今度はDVDだ!


このサイトでも折に触れ紹介している通り、ここ数年のロニー・ピーターソンに関する書籍やプラモデル等キットのリリース・ラッシュには驚くべきものがありますが、そんな中ロニーの38回目の命日となる9月11日、またしてもロニーファンの財布を狙い撃ち(笑)する商品が発売されます。


ロニー・ピーターソン 70年代 F1最速のドライバー(DVD)

F1を始めとするモータースポーツ関連の映像作品を数多く発売しているユーロ・ピクチャーズより、「ロニー・ピーターソン 70年代 F1最速のドライバー」と題したDVDが発売となります。

基本的には英国Duke Marketing Ltd.社からリリースされている「Ronnie Peterson: Grand Prix Hero」の日本語版になるものと思いますが、特典映像として「ジョディ・シェクター&ウルフ 1978 イギリスGP」を収録しており、オリジナルの60分から83分へと内容が拡大されています。更に初回限定5,000枚には20ページの「Peterson with his GP cars」というフォトブックも付くという、ロニー大好きなシニアF1ファンの物欲を駆り立てるに十分な内容の1枚となっている模様です。

DukeのDVDはロニー・ピーターソン以外にもマリオ・アンドレッティ、エマーソン・フィッティパルディ、ニキ・ラウダ等、まだ日本語版がリリースされていないドライバー特集DVDがあるので、今後のリリースには期待したいと思います。

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久々の活動再開と書籍紹介


気付いたら最後の更新からもう8か月、真冬の12月から真夏の8月になってしまいましたが、この間Ketteringham Factoryは実は本拠地移転&拡張工事(ただ自宅を引越して、部屋が広くなったってだけの話ですが)に取り組んでおり、この程ようやく工事完了し、活動再開に漕ぎ付けました。まずは長期中断しているEBBRO 1/20 Lotus72E製作の再開ですね。
しかし長い休眠の間にも世の中は歩みを続けている訳で、Ketteringham Factory的に幾つか嬉しい書籍やDVD発売のニュースも入っており、今回はその一つを紹介したいと思います。


Lotus 79 Owners’ Workshop Manual

知る人ぞ知る英国Haynes社の”Haynes Manual”シリーズに、何とロータス79が加わる事になりました!タイトルも「Lotus 79 Owners’ Workshop Manual」。既刊としてロータスF1だけでも 49(1967-1970)72(1970-1975)98T(&93T/94T/95T/97T)の3冊、それ以外にもF1ではフェラーリ、マクラーレン、ブラバム等、F1以外にもレーシングカーから市販車、果ては戦闘機や人工衛星まで!の「Owner’s Manual」と称した解説書(人工衛星のオーナーズマニュアルって…???)をリリースしている同社ですが、どんな内容になるのか今から楽しみです。個人的にJohn Tiplerの「Lotus 78 and 79 – The Ground-Effect Cars」を上回る、ロータス79関係書の最高傑作になるのではないかと期待しています。投稿時点で発売時期は未定ですがAmazonでは既に予約が始まっており、勿論自分は既にポチ済みです(笑)

しかしKetteringham Factoryが79の情報に飢えてグッドウッドやブランズハッチ、そしてラグナ・セカまで世界を飛び回って写真を撮りまくった頃から早18年。今では1/12や1/20の素晴らしいキットが数多くリリースされ、Tiplerの本やF1 Modeling等の雑誌でほぼその全容が判るまでになったなんて、夢のような時代になりました。個人的には本当に隔世の感があります。。。(実感)
勿論あの頃、情報が殆ど無かった時代の探究心と行動力が今のKetteringham Factoryの源になっている訳ですから、こうなればその情報をフルに生かして今後の作品作りに生かしていきたいものです。

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EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.13


もう気付くと一か月以上前の事となってしまうのが驚きですが、まずは先日のホビーフォーラムにてKetteringham Factoryのブースにお越し下さった方々に御礼申し上げます。今年は時間不足から満足のいく展示とはなりませんでしたが、それでも多くの方々との会話を楽しむ事が出来、とても楽しい時間を過ごす事が出来ました。重ねて御礼申し上げます。

そして、そのホビーフォーラムの会場でも事前告知が有ったのですが、来る12月18日におなじみモデルアート社の「オートモデリング」のVol.32が発売されます(写真)。今回の特集は何とロニー・ピーターソン!去る6月に発売されたRacing On誌No.477に続き何故に今、ロニーブーム?という感じですが、Ketteringham Factoryの同胞であるF氏、T氏を含めシニア世代のF1ファンの狂喜する姿が目に浮かぶ様です(笑)。
勿論ロータスF1に心酔する自分にとってもMust Buyの一冊になる訳ですが、とりわけ興味があるのが同誌で何度か行われているプロフィール(各マシンのレース毎の仕様を詳細な考証)で、今回は現在制作中のロータス72Eの1973年版を取り上げる様です。自分もこれまでの72E製作記の中で幾つかの考証については紹介して来ましたが、改めてその内容を検証するには良い機会となりそうなので、楽しみにしています。
という訳で今回のロータス72E製作記は、その考証結果を幾らか含んだデカールについて、Vol.8からの続編を紹介したいと思います。

まずは今回のホビーフォーラムの為に一通り完成まで持って行ったデカールシート。今回ホビーフォーラムを控えていた事もあり、このデカールを使用して実際に一度完成形まで持って行き、改めて版下の改善にフィードバックしようと考え、塗装済みの各パーツに貼付してみる事にした。Vol.8からの最大の相違はフィッティングした際にやはり多少のシルバリングが見られたので、その対策としてJPSストライプの周囲に黒を入れてみた事。印刷は変わらずALPSのMP-5500によるもの。色は通常のメタリックゴールドを使ったがやはりちょっと黄色過ぎるのが悩みどころ。

こちらはフロントノーズ3態。一見すると同じ様に見えるこの3態、実は自分なりのこだわりポイントがそれぞれ込められているのだが、、、多くの人にはどうでも良い自己満足の世界でもあり、本家EBBROのデカールでも、そして先に紹介したTABU DESIGNのフルデカールでも再現されていない。

まずこちらは1972年イタリアGPでのフィッティパルディ車仕様。カーナンバーは左向きに傾けられ、周囲のJPSストライプは直線的にノーズ上面の縁に沿って描かれている。フロントウィングは高速のモンツァに合わせて追加フラップが短縮されており、その分翼端板が後方にはみ出しているのが特徴。ちょっとフロントウィングのJPSストライプは前後が長すぎたか。ちなみにその上に記入されているJPSロゴは紹介の為に標準サイズにしているが、実際にこのレースでのフィッティパルディ車は次の写真で紹介する大型サイズが使われていた。

こちらは1973年フランスGPのピーターソン車仕様。1973年シーズン途中からカーナンバーの傾きがこの傾斜で統一された他、JPSストライプが丸みを帯びた形状となっている。但しJPSストライプの方は別に1973年仕様として統一された訳ではなく、1972年から既にJPSストライプはこの丸みを帯びた物と角張った物が混在していた。そしてフロントウィングのJPSロゴは大型の物が使用されているが、同じGPでのフィッティパルディ車は前の写真で紹介した標準サイズだった。

そしてもう一つ忘れてはいけないこだわりポイントが。1973年シーズンの一時期、恐らく第5戦ベルギーGPから第8戦フランスGP迄の間、ピーターソン車のフロントノーズのJPSストライプは車体側JPSストライプとの間に大きなズレが生じている。恐らくこれはピーターソンがベルギーGPのプラクティスでクラッシュしてノーズを破損し、前戦スペインGPで導入されたデフォーマブル・ストラクチャーの導入によって車体側のJPSストライプの間隔が広くなったところに旧72Dで使われていたノーズを付けた為ではないかと思われる。

そしてこちらは1973年後半戦仕様。恐らく第9戦イギリスGPからと思われるが、ピーターソン車のノーズは一新されて先のJPSストライプのズレが無くなった他、フロントウィングの追加フラップが廃止されてウィング本体が大型化し、ウィング上面のJPSストライプもこれに合わせて前後が長くなっており、ロゴも標準サイズへと戻された。後にフィッティパルディ車のフロントウィングも同仕様となっている。工作は容易で、ただキットのフロントウィング上面のフラップのモールドをペーパーを使って削り取るだけ。

こちらは1973年仕様のデフォーマブル・ストラクチャー。ALPSのプリンタは白をプリントした際の隠蔽力が弱いので、ユニオンジャックはキットの物をそのまま流用する。

こちらはウィンドスクリーン3態。手前から1972年フィッティパルディ車、1973年ピーターソン車、そして一番奥は1973年終盤2戦のピーターソン車。違いはミラー部分のJPSストライプの処理で、フィッティパルディ車はミラー部分の塗装の切り欠きが無く、ピーターソン車は切り欠きがある。そして1973年終盤2戦にはピーターソン車のミラー部分は塗装の切り欠きに合わせてJPSストライプが湾曲した形状となっている。またフィッティパルディ車は左右のミラー取付位置が異なる為、ミラー取付穴のモールドは埋めてしまった。ちなみにウィンドスクリーン上部の透明部分の幅を大きくとり過ぎてしまった為、John Player Specialの文字の上下がやや窮屈になってしまった。この写真では違いが判らないがそのJohn Player Specialの文字も、スクリーン上面に合わせて水平に並んでいる仕様も有れば、車体のウェッジシェイプに合わせて斜行して並んでいる仕様もある。実際には後者が多かった様だ。

ウィンドスクリーン前面のTEXACOロゴは大き過ぎてしまった。でも言いたいのはそこでは無く、それを囲むJPSストライプの形状。左は1972年イタリアGPでのフィッティパルディ車で、TEXACOロゴとの間隔が広く、角張った形状をしている。真ん中は極く標準的なタイプで、右は1973年シーズン後半にピーターソン車に用いられた、TEXACOロゴとの間隔が広く、かつ丸みを帯びた形状。

こちらはインダクションボックスで、1973年シーズン中盤まで用いられた物。

インダクションボックスは1973年シーズン後半に上部が大型化されたが、これに合わせてピーターソン車のJPSロゴも大型化されている。

こちらは1972年仕様のリアウィング。翼端板は前回紹介した自作エッチングによるもの。ウィンドスクリーンだけでなく翼端板のTEXACOロゴも大き過ぎた様だ。

こちらは1973年仕様のウィアウィングで、こちらも翼端板は自作エッチング。TEXACOロゴはユニオンジャック同様にキットの物を流用。

リアウィングのウィニング・ローレル。Vol.8でも触れたが、当時モノの本物のウィニング・ローレルをトレースした自信作だが、このスケールでは誰にも判らない自己満足の世界。

こちらは1973年終盤戦仕様のリアウィング翼端板。ちょっと大きさを強調しようと思って実際よりも前後に大きく作ったのだが、これが仇になってあまり似てない物になってしまったので、エッチングから本来の形状に戻して作り直す必要がありそうだ。

そしてこれが今回のホビーフォーラムに出店した1973年終盤戦仕様の72E。こうして見てみると雰囲気は悪くないし、修正点は幾つかあるものの完成度としては悪くないレベルに来ている感じがする。あとは何度も言うゴールドの色調を何とかすれば完成まで持って行けそうである。



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ホビーフォーラム2015、目前です!


2015年11月8日(日)に横浜港大さん橋国際客船ターミナル内 大さん橋ホールで開催されるる「ホビーフォーラム2015」まで、ついにあと一週間を切りました。2回目となる今年はエントラント名も「Ketteringham Factory」となり、スペースも拡充して臨む事になりました。基本的に展示予定作品は昨年のラインナップに、2015年作品となるEBBRO 1/20のロータス72Eが加わる予定ですが、この他Ketteringham Factoryの活動成果?に関わるものを紹介していきたいと思います。


【展示予定作品】
・1/12 Lotus 107 / 1992年イギリスGP (スクラッチ)
・1/20 Lotus 72C / 1970年アメリカGP (エブロ/STUDIO27)
・1/20 Lotus 78 / 1977年日本GPインペリアルカラー (タミヤ/STUDIO27)
・1/20 Lotus 91 / 1982年ブラジルGP (STUDIO27)
・1/20 Lotus 100T / 1988年オーストラリアGP (モデラーズ)
・1/64 京商ロータスフォーミュラミニカーコレクション
 Lotus72E×2、Lotus78×2、Lotus79×2、Lotus91、Lotus97T×2、Lotus98T
・1/20 Lotus 72E / 1973年フランスGP・1973年アメリカGP (エブロ)

この他にも、目を見張るクオリティの作品が所狭しと並ぶ他モデラー方々の出展ブース、そして掘り出し物満載の物販ブース等、カーモデルを愛する方々に満喫頂ける濃度抜群のイベントですので、是非当日は横浜大さん橋へ足を運んでみては如何でしょうか。そして当ブースへお越しの際は、是非カーモデル談義、そしてちょっとシニアな1970~90年代F1談義に花を咲かせたいと思いますので、是非お気軽にお声をお掛け下さい。
お越しをお待ちしております!

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かつてF1の歴史に伝説を刻んだチーム・ロータスのFマシンについて、その詳細、マシン考証、模型制作を通じて紹介します。