GP Car Story:Lotus 1977 – 1979


今年もホビーフォーラムまであと2カ月を切り準備に取り掛かっていますが、都合により製作記の更新は後回しという事で、今回は書籍の紹介です。三栄書房より刊行されている「GP Car Story」シリーズに、「Lotus 1977 – 1979」というテーマで1977年のロータス78からロータス80までの3台を取り上げた特集が加わりました。

内容は間違いなく国内・海外を問わず、これまでのロータス78~80を扱った一連の書籍の中でも最高と言えるもので、全編カラーページによる資料性の高い写真が満載(恐らく未発表写真も多数!)、更に度々お世話になっている山田剛久氏を始めとするライターの方々の記事も、この車に対する読者の期待度の高さを十分に汲み取った内容となっています。中でも個人的に圧巻だったのはジョー高安氏によるバリエーション解説で、幾つか自分の見解と異なる部分はあれど、個人的には師匠とも言える氏ならではの流石と言えるモデラー目線と考証、とかくスルーされがちな79の1979年仕様や80についても手抜かり無く説明されている部分が素晴らしいです。他にもマリオ・アンドレッティやピーター・ライト、ラルフ・ベラミー、ナイジェル・ベネット、ボブ・ダンス等、ロータス78~80に当時から携わっていた人々の証言、ゲトラグ・ギアボックスやサイドスカート、ファンカー構想などのメカニズムに着目した記事も貴重で、ファンであれば「2冊買い」の価値十分、間違いなく永久保存版と言えるでしょう。

惜しむらくは、これだけ素晴らしい写真が満載されているのであればもっと大きなサイズで見たかった…

しかしイギリスやヨーロッパならともかく、遠く離れた国でこんな本を作ってしまう日本人のエンスージアズムと、ファンとしてその内容を母国語で読めるというのは、何と恵まれた事なのかと思わずにはいられません。

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Superswede – en film om Ronnie Peterson


前回の更新から早9カ月、そろそろ今年のホビーフォーラムの準備を始めつつ、このブログの更新ネタを探していたら、またまた世のロニー・ピーターソンファンのハートを撃ち抜く情報が入って来ました。

ピーターソンの母国スウェーデンで、ピーターソンの伝記映画「Superswede – en film om Ronnie Peterson」が8月16日に公開される様です。YouTubeに公開されているトレーラムービーとキャストを見る限り、在りし日のピーターソンとバーバラの映像、そしてニキ・ラウダ、エマーソン・フィッティパルディ、ジャッキー・スチュワート、マリオ・アンドレッティ、ジョディ・シェクター、ジョン・ワトソン、そして娘のニーナ・ケネディのインタビューで構成されている様です。

スウェーデン語の部分は判りませんが、やはりスチュワートのコメントは印象的です。
「私は今でもロニー・ピーターソンが最も速いF1ドライバーだと思っている」
「1970年代のF1はとても魅惑的で、華やかで、エキサイティングだった」
「ロータスの車はいつも速かったが、同時に脆弱だった。5年も走っていれば2~3度は死ぬ危険が有った」
…当時のF1の全てを知る男ならではの重みが有ります。

そして同時に、あのモンツァのストレートに佇むニーナが、亡き父親について何を語っているのか、とても気になります。

残念ながら現在のところ公開はスウェーデンのみで言語・字幕もスウェーデン語となっており、他国での公開は未定の様ですが、いつか(英語字幕化されて)DVD/BD化される事でしょう。そしてきっと日本ではシニアでお金持ちな(?)熱狂的ロニーファンの方々がクラウドファンディングで日本語化してくれるでしょう(笑) それまではこのトレーラムービーを見ながら、その日を心待ちにしたいと思います。

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ホビーフォーラム2016に来場下さった方々、有難うございました!


去る11月6日(日)、横浜大桟橋で開催されたホビーフォーラム2016に参加して来ました。まずはご来場下さった方々、そして当Kettertingham Factoryのブースにお越し下さった方々に心より御礼申し上げます。

今年で3回目の参加となった訳ですが、今年は(風は強かったものの)天候にも恵まれ、昨年以上の来場者だったのではないかと思います。そして毎年当ブースに来場して下さる方々との再会、1970年代~1990年代のF1談義、カーモデル談義など、今年もとても楽しい時間を過ごさせて頂きました。また自分は先立ってのリオ・パラリンピックで金メダルを獲得したアレックス・ザナルディ特集展示、そして同胞F氏は「空モノ」へ進出、1/48メッサーシュミットBf109G-6と旧ドイツ空軍使用のRevi12C射撃照準器(本物!)をディスプレイする等新たな試みも行い、今後へのモチベーションを更に高める事が出来ました。

[dounaga ozisanこと同胞F氏撮影による当ブースの様子]

[こちらはF氏の作品群。アマルガム1/8のロータス79が圧倒的存在感。]
これに懲りずまた来年もぜひ参加したいと思いますので、宜しくお願い致します。

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ホビーフォーラム2016に出展します


Ketteringham Factoryとして毎年唯一のお披露目の場、今年も来る11月6日(日)に横浜港大さん橋国際客船ターミナル内 大さん橋ホールにて開催される「ホビーフォーラム2016」に参加します。

今回はKetteringham Factoryとして3回目の参戦となる訳ですが、前年の2015年は諸事情により一部予定の作品を展示する事が出来ず、内容は寂しいものとなってしまいました。従って今年はそのリベンジを期すべく、例年足を運んでいたMotoGPの観戦も断念して(泣)フルスカッドでの参戦を目指し鋭意準備中です。展示内容はもうKetteringham Factoryの代名詞?とも言える1/12ロータス107を始めとするお馴染みの作品に加え、前年は残念な結果に終わったEBBRO 1/20ロータス72Eなど、またしてもロータスF1物ばかりのニッチなディスプレイとなる予定です。
そして今回は加えて先の投稿で触れました通り、先だってのリオ・パラリンピックで2大会連続の金メダルを獲得したアレックス・ザナルディの偉業達成を記念して、恐らく本邦唯一(笑)「アレックス・ザナルディ特集」を展開、幾つもの伝説のレースを生み出したCARTでのマシンの模型も展示する予定です。

また勿論、目を見張るクオリティの作品が所狭しと並ぶ他モデラー方々の出展ブース、そして掘り出し物満載の物販ブース等、カーモデルのみならずスケールモデルを愛する方々に満喫頂ける濃度抜群のイベントですので、是非当日は横浜大さん橋へ足を運んでみては如何でしょうか。そして当ブースへお越しの際は、是非カーモデル談義、そしてちょっとシニアな1970~90年代F1談義に花を咲かせたいと思いますので、是非お気軽にお声をお掛け下さい。
お越しをお待ちしております!

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EBBRO 1/20 Lotus72E製作? Vol.14


半年以上続いた本拠地移転作業の間永らく休止状態となっていた1/20Lotus72E製作、久々再開の今回は、このキット最大の難関と言えるフロントサスペンション周りの製作です。

製作再開にあたってどうにもモチベーションが上がらなかった原因はこのモノコックのバルクヘッドとフロントサスのクロスメンバーを兼ねたこのパーツ。写真ではメタリック塗装を想定して黒く塗ってあるが、モールドが浮き上がっている部分はクロスメンバーでグレーに塗装、その他の部分はモノコック表面なのでアルミに塗装するのだが、この塗り分けをどうするか、で悩んだ。勿論普通にマスキングして塗り分ければ良いし、特段難しい訳でも無い。そして何より完成してしまえば殆ど見えない場所。しかし何故だかモチベーションが上がらない。さてどうするか考えた結果、、、

自分でもなぜこんな難しい解決策を選んだのか不明だが、何故かモノコックのアルミ部分のエッチングパーツを自作する事に。クロスメンバーの部分をグレーに塗った後、モノコック表面にこのエッチングパーツを貼り付ける。
ついでなのでその他のモノコック部分の表面もエッチングパーツで作ってみた。これでこのパーツの外側は塗装の必要がなくなる事に。更にどうせならモノコック内側も作れば良かったのだが、寸法を取るのが面倒だったので中途半端に省略。

エッチングパーツを貼り付けてパーツを組み立てたところ。クロスメンバーは自分の印象からキットの指定よりも明るいグレーを選んでみた。尚、フロント側のクロスメンバーは組み立てる前に塗装したのが、後から塗装した方が良かった。

フロントブレーキディスクの表面にはSTUDIO27の72C用エッチングパーツを貼り付けた。同パーツはディスク表面に円状の溝が切ってあるのだが、今回は敢えて裏返してソリッドな表面にしてみた。ブレーキシューが入る切り欠き部分はやや狭かったのでヤスリで削って幅を広げた。

プルロッドとダンパー組み立て、ブレーキディスクを差し込んだたところ。ダンパーの胴体部分にはアルミ箔(メタルック)を貼り付けて金属感を出してみた。ダンパー上部の色は写真では様々な色が確認出来るものの、どうも新品状態では黄橙色の様だ。ここでは橙色にしてアクセントを付けてみた。尚、ブレーキディスクのパーツは、モノコックとの接続部分かなりタイトで入れ辛いので、少し削ってストレス無く入る様にした。

モノコック上面にはSTUDIO27の72C用エッチングパーツをそのまま使用。金属感がいい感じだ。

キットの指示に従ってアンチロールバー、ロワアーム、アップライト、タイロッドを組み付ける。因みにインストラクションの塗装指示は72Cの色をそのまま記載しており72D以降の塗装とはかなり異なっているので、写真を基に独自に考証して塗り分けた。そしてモノコック前面にブレーキ関係の配管をこれまた写真を参考に、モデラーズのホースジョイントと0.6mm径のメッシュホースで再現した。

ここまでの仕上がりが結構気に入ったので、これにEBBROのオプションパーツであるメタル製のフロントサブフレームを組み付けてみる事にした。取り付けは容易で、元々キットのモノコックとクロスメンバー部分に取付用の穴が開けられているので、そこへ差し込むだけ。

サブフレームを差し込んで位置を微調整し瞬接で固定して完成。各所にエッチングパーツやメタルックを使用したお陰でかなり金属感が出た仕上がりとなった。完成後は見え辛い場所なのだが、下からでも覗いてみたくなる。

個人的にはこのフロントサス部分はこのキットの最大の難所だと思います。EBBROのパーツは非常に繊細に出来ている為、特に今回の様にディティールアップをする場合には途中パーツの破損に十分に気を付ける必要がありますが、その分仕上がりは実車の複雑な構造をよく再現しており、完成後も敢えてフロントノーズを外して飾りたい程の仕上がりになります。


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かつてF1の歴史に伝説を刻んだチーム・ロータスのFマシンについて、その詳細、マシン考証、模型制作を通じて紹介します。